P.18 同阿く多゛しの圖の下半分4行目迄
(読み)
さる皮 个づり取 し実を可け目五貫 目三 日尓春く
さるかわけずりとりしみをかけめごかんめみっかにすく
上 手者二 日尓春く これを漉 賃 銀 八〇 六 匁 なり
じやうづはふつかにすく。これをすきちんぜに ろくもんめなり
此 五貫 目越川 へ持 行 よく阿らひ さしもの又 ハ囲
このごかんめをかわへもちゆき、よくあらい、さしものまたはい
かき・桶 尓てよくあらひ
かき・をけにてよくあらい
(大意)
さる皮を削りとった(内側の白い)部分の重さ五貫目を三日間で漉く。
上手な人はこの量を二日間で漉く。この漉き賃は銀六匁である。
この削り取った楮苧の皮を川へ持って行きよく洗う。
(川で洗えないときは)木箱やまたはかごやざる・桶でよく洗う。
(補足)
「漉賃銀 八〇 六匁」は日本農書全集53の注によると、銭八〇文を銀一匁とする通貨単位で六匁という意味とあります。
さしもの⇒木箱など、いかき⇒かご・ざる(広辞苑)。図では桶ですが、さしものといかきはありません。
「さしもの又ハ」の「又」が「尓」の変体仮名「y」(筆記体のy)と全く同じです。
「持行」、「持」は読めるようになってきましたが、「行」がどうも苦手です。
「五」はほぼどんなくずし字でも読めるようになってきてます。
ここまでの図でやっと気づいたのですが、女性の着物柄が無地もありますが、柄が異なっていました。凝ってます。
ところが、Reports on the manufacture of paper in Japan では、
柄は無視して適当な色で乱暴に塗りたくっているだけでした。雑です。
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