2018年9月5日水曜日

紙漉重宝記 その26




P.12 楮苧むし能圖の上半分6行目まで


(読み)
楮苧 むし能圖
可うそむしのづ

農 人 鍋 持 ざ流者 ハ
のう尓ん奈べも多ざるものは

より合 天蒸春
よりあひてむす

鍋 かり賃 皮 むき
奈べかりちん可ハむき

取 し跡 の木也  是を
とりしあとのきなり。これを

薪   と春類 たのミ丹
多きゝ゛とする。たのみに

より皮 もむきくれる也
より可ハもむきくれるなり


(大意)
楮苧の蒸しかたの図
農民で鍋を持っていないものは
寄り合って蒸す。
鍋の借り賃は皮を向いたあとの木で、
これを薪として使用する。
皮もむいてくれるよう、頼むこともある。


(補足)
 専用の大きな鍋だったのでしょうか、誰でも持っているものではなかったようです。
熱源の薪が鍋借り賃になっています。
薪はどこにでもころがっているものを集めてもよいという印象がありますが、
村々の薪をとるところは厳しく決められていました。
薪が原因で村々の争いになることはこの時代よくありました。

くずし字は振り仮名がふってあるのでなんとか読めます。
「る」が「流」「類」二種類あります。
見出しの「の」にあたる「み」に似たくずし字は「能」です。


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