2018年9月11日火曜日

紙漉重宝記 その32




P.14 楮苧皮干之図の下半分


(読み)
くゝりめをあバ記
くくりめをあばき

よく干春べし
よく本すべし

其 後 五貫 目づゝ掛
そのゝちごかんめづつ可け

改  め把  丹春流
あら多め多者゛にする

よう可ハい多
ようかわいた

こ袮多所  越
こねたところを

とひて本そふ
といてほそう


(大意)
 束にしてまとめてあるところを広げ、必ずよく干すこと。
その後、5貫目ずつ量り、また、束にする。

(補足)
 図では竿にかけ広げているところですが、その束の下がくくられたままになってます。
当然そのあたりの乾きは悪くなります。説明文ではその部分を広げてよく乾かせと説いていますが
その図がありません。もしかしたら理解が間違っているのかもしれません。
話し言葉の部分でも「こねたところをといてほそう」とあるとおり、
「こねた(束ねた)ところをといて(ばらして)」ですから、あってるとおもいますが、うーん。

 左側の作業している御婦人の左手が、文章の説明にある通り、
「女の片手ににぎる程」となって、楮苧を束にしています。

「五貫目づゝ」の「づゝ」が判別しにくい。
「把丹春流」、たばにする。「丹春流」変体仮名の連続。
慣れればスラスラ読めます、読める、読みたい。

「所」のくずし字は頻出。「不」と間違えないようにする。


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