2018年9月6日木曜日

紙漉重宝記 その27




P.12 楮苧むし能圖の上半分7行目から最後まで


(読み)
二尺  五寸 三 尺  本どに切
にしゃくごすんさんしゃくほどにきり

天蒸春 志バらくして小口 の
てむす。しばらくしてこぐちの

可ハ少 しむけ可ゝ類を見天
かわすこしむけかかるをみて

熟  せしを知類 冬 の夜
じゅくせしをしる。ふゆのよ

五鍋 六 奈べ本どハ蒸 るゝ
ご奈べろくなべほどはむさるる

と志類遍゛し
としるべ し


(大意)
二尺五寸、三尺ほどに切って蒸す。
しばらくしてから、木口の木皮が少しむけるようになってきたら蒸し上がっためどとなる。
冬の夜には、この作業を5回6回と行うのである。


(補足)
「流」「類」がまた出てきてます。前半6行の使い方とは逆になっているような気がします。
いい加減なんです。
「遍゛し」(べし)、このくずし字はよくでてきます。形で覚える。「道」と似てます。
「熟」の「灬」が「火」になってます。フォントを探したのですが見つかりませんでした。

 蒸すには火力が必要です。それもたくさんです。
冬の夜につらい作業でしたでしょうが、かまどまわりは暖かかったはずです。
みんなでかまどを囲み、頬をあからめにぎやかだったのかもしれません。


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