2018年9月13日木曜日

紙漉重宝記 その34




P.15 同賣買能事の上半分8行目から最後まで


(読み)
同 国 尓て東  石 見の
どうこくにてひがしいわみの

皮 二三 王り
可はにさんわり

安 し 内 皮
や春し。うち可ハ

外 可ハむ記やう
そとかわむきやう

尓てち可゛ふ也
にてちが うなり


(大意)
 (石見)国でも東石見の楮苧皮は二、三割安い。
内皮・外皮の仕上げのむき方によって、価格が異なるのである。


(補足)
 「内皮」「外可ハ」、皮と可ハを使い分けています。
「し」もタダの棒みたいなときもあれば、「安し」の「し」ように頭の部分に点をつけ変化させている字もあります。同じ音が繰り返す時、変化を付けて同じ字を使わないのはひとつの美学なのでしょうか。
この上部に出てくる「尓」のくずし字は、ほとんど筆記体の「y」にみえます。
最後の行「尓てち可゛ふ也」、「ちがう」と連続すると「が」が読み取りにくくなります。


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