2021年5月7日金曜日

唖鈴体操術 その4

P3

(読み)

◯第三圖

 だいさんず


図の如 く二 ツの唖鈴

ずのごとくふたつのあれい


をむね尓とりつよく

をむねにとりつよく


もろ手を

もろてを


両  可王尓

りょうがわに


たひら尓の者゛し

たいらにのば し


亜鈴 のかう尓て

あれいのこうにて


そくめんの空 中  をうつ八 呼◯ー

そくめんのくうちゅうをうつはっこ


◯ーもろ手をかしらのうへ尓ますぐ

  もろてをかしらのうえにますぐ


尓の者゛し亜鈴 のかうの者しを◯☓

にのば しあれいのこうのはしを


◯☓まへ尓むけ二鈴の甲端尓て

  まえにむけにれいのこうたんにて


うへの方 の空 中  をうつ八 呼

うえのほうのくうちゅうをうつはっこ


(大意)

◯第三図

 図のように二つの唖鈴を胸の前にもち、強く

両手を両側に平らに伸ばし、唖鈴の甲で

側面の空中をうつ。八呼。

 両手を頭の上に真っ直ぐに伸ばし、唖鈴の甲の端を

前に向け、二鈴の甲端で上方の空中を打つ。八呼。


(補足)

 動作の内容が点線で描かれているので、動き自体はよく理解できます。

平仮名「か」も使われだしていますが、平仮名「た」も目にすることが多くなってきました。

変体仮名「者」(は)は相変わらずで平仮名「は」ありません。

「両可王尓」、「両」のくずし字は前頁で既出。「可王尓」(かわに)は変体仮名ずくし。

 

2021年5月6日木曜日

唖鈴体操術 その3

P2

(読み)

◯第二圖

 だいにず


もろ手をたれ多る

もろてをたれたる


まゝつよく二鈴 の

ままつよくにれいの


かうの方 尓て

こうのほうにて


志多のくう

したのくう


ちやうをうち

ちゅうをうち


(一)ふ多つの唖鈴 をむね尓とり手の甲 をそと尓むけ

   ふたつのあれいをむねにとりてのこうをそとにむけ


(二)図の如 くつよく両  手をまへ尓の者゛し

   ずのごとくつよくりょうてをまえにのば し


(三)二鈴 の甲 端 尓てぜんめんの空 中  をうつ事 八呼

   にれいのこうたんにてぜんめんのくうちゅうをうつことはっこ


(大意)

◯第二図

両手を下げたまま強くニ鈴の

甲の方で下に強く振り下ろし

(一)二つの唖鈴を胸の位置に戻し手の甲を外に向け

(二)図のように強く両手を前に伸ばし

(三)二鈴の甲端で前方の空中を打つ

八呼

(補足)

「八呼」は八回繰り返すことかとおもったら間違いのようです。

全国ラジを体操連盟のHPに次のようにありました。

『体操での一連の動作の掛け声で「イチ、ニィ、サン、シィ」を4呼間といい、「イチ、ニィ、サン、シィ、ゴォ、ロク、シチ、ハチ」を8呼間といいます。ラジオ体操の各運動は、4呼間を4回繰り返したり、8呼間を2回繰り返すのがほとんどです。お一人で体操を行う際は、「イチ、ニィ、サン、シィ・・・」を繰り返しても、ご自分が何回目の繰り返し運動を行っていることが分かっていますので、次の新しい運動に入る際に間違えることはないかと思います。しかしながら、大勢の方と一緒に体操を行っている場合は、「ニィ、ニィ、サン、シィ・・・」と、今、何回目の繰り返し運動を行っていますよと伝え、次の新しい運動に入る際に間違えないようにする伝達方法になります』

 この運動は1唖鈴を下に振り下ろす2胸に戻す3前方に突き出す4胸に戻すで「イチ、ニィ、サン、シィ」の4呼間となります。八呼ですからこの動作を二回繰り返すことになります。

「まゝつよく」、「ま」が特徴的。「つよく」がなんだろうとおもいましたが、「二」に「つよく」とあり、「よ」の一画目が「ゝ」のようになっているのでした。

「二鈴のかうの方」、「かう」は「甲」で球状の部分のことでしょうか。

「両手を」、「両」のくずし字、くずし字はかたちで覚えるしかなさそうです。

「うつ事」、「事」のくずし字が「る」ににてます。

 

2021年5月5日水曜日

唖鈴体操術 その2

P1

(読み)

◯第一圖

 だいいちず


生 徒えんし由うを者じむるまへ尓

せいとえんしゅうをはじむるまえに


から多゛の少 しも

からだ のすこしも


い可゛まぬ

いが まぬ


やう尓

ように


きをつけ王きめも

きをつけわきめも


奈さて教  師の号 令 を

なさてきょうしのごうれいを


まねてえんしゆうを

まねてえんしゅうを


者しむ遍゛し

はしむべ し


(大意)

◯第一図

生徒は演習を始める前に

体を少しの怪我もしないように

気をつけ、集中して

教師の動きをまねて

演習に励むべし

(補足)

頁の半分をしめるデカイ角印は「東京図書館蔵」とあります。大意はあってるとおもいますが、重なってしまっている文章がよくわかりません。いくつか読み違えているかも。

明治7年出版「小学必携體操圖解」田邉良作著のモデルだった子どもが12年後に青年になって再度戻ってきたような感じのモデルです。

「者じむる」、変体仮名「者」(は)、「む」の後半が右下に流れます。

「い可゛む」は「歪む」(ゆがむ)で、曲がったりねじれたりして物の形が正しくなくなるの意ですから、怪我をしないようにではなく、教師の動き(をよくなぞって)と同じ様に気をつけなさいということかもしれません。

「者しむ遍゛し」、「者しむ」は「はげむ」でしょうか?「始める」でしょうか?

 

2021年5月4日火曜日

唖鈴体操術その1

表紙

(読み)

ボヲール

ボール


球竿

きゅうかん


竹内榮久編輯

たけうちえいきゅうへんしゅう


啞鈴 體 操 術   全

あれいたいそうじゅつ ぜん


棍棒

こんぼう


ベエース

べーす


啞鈴

あれい


明治十九年新刻

めいじじゅうきゅうねんしんこく


豆曩

とうのう


三好堂梓

みよしどうし


(大意)

略

(補足)

啞鈴はダンベル(dumbbell)、文字通り音の出ない鈴の意。木製。

ここにある道具の体操術は「体操伝習所:筑波大学体育・スポーツ史料室編」に詳しい。

このような「小学生徒体操之図(明治19年)」があります。

価格は3銭5厘。

 

2021年5月3日月曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その3

P41

(読み)

年 中  之分 合   二百七十六億八千二百五十七万四千四百二疋 なり

ねんちゅうのぶんあはせて                   ひきなり


正月ニ

しょうがつに


生 れ子 十  二疋

むまれこ じゅうにひき


親 とも 十  四 疋

おやとも じゅうよんひき


二月ニ

同 八十四疋

同 九十八疋

三月ニ

同 五百八十八疋

同 六百八十六疋

四月ニ

同 四千百十六疋

同 四千八百二疋

五月ニ

同 二万八千八百十二疋

同 三万三千六百十四匹

六月ニ

同 廿一万令千六百八十四疋

同 廿三万五千二百九十八疋

七月ニ

同 百四十一万千七百八十八疋

同 百六十四万七千令八十六疋

八月ニ

同 九百八十八万二千五百十六疋

同 千百五十二万九千六百令二疋

九月ニ

同 六千九百十七万七千六百十二疋

同 八千令七十万七千二百十四疋

十月ニ

同 四億八千四百廿四万三千二百八十四疋

同 五億六千四百九十五万四百九十八疋

十一月ニ

同 卅三億八千九百七十万二千九百八十八疋

同 卅九億五千四百六十五万二千四百八十六疋

十二月ニ

同 二百卅七億二千七百九十二万令九百十六疋

同 二百七十六億八千二百五十七万四千四百二令疋


法 尓禰ずミ二疋 に七 越十  二多ひ可个連ハ右 禰春ミの高 志連申  候  也

ほうにねずみにひきにしちをじゅうにたびかければみぎねずみのたかしれもうしそうろうなり


(大意)

一年分合わせて

276億8257万4402疋となる。

途中略

計算方法は

ねずみ2匹に7を12回掛ければ右のねずみの合計した数を得ることができる。

(補足)

 漢数字や位取りの勉強になります。「五」のくずし字はなれないと難しい。「千」の縦棒が「手」のように曲がります。算用数字「0」が「令」となってます。「零式戦闘機」で「零」だとおもってましたが「雨」がなくてもよさそうです。

「多ひ可个連」、「可」が小さく、「个」がわかりずらい。「高」のくずし字はかたちでおぼえる。

 計算式は 2✕7(の)12(乗)=27682574402

そろばんの威力の見せ所。凄まじい。


 

2021年5月2日日曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その2

P40禰春゛ミ佐んの事

(読み)

おや

おや


共 に九  十  八 疋 尓成 かく能ごとくに月 尓一 度

ともにきゅうじゅうはっぴきになるかくのごとくにつきにいちど


川ゝおやも子もまたまごもひこも月 ゝ に

ずつおやもこもまたまごもひこもつきずきに


十  二疋 川ゝうむ時 尓十  二月 尓ハな尓本ど

じゅうにひきずつうむときにじゅうにがつにはなにほど


に奈るぞといふ

になるぞという


(大意)

親とあわせ98匹になる。このように月に一度

ずつ親も子もまた孫もひ孫も月々に

12匹ずつ生むとき、12月には何匹になっているかを

問う。

(補足)

 計算好きにはたまらない問題でしょう。そろばんをパチパチはじいてはうーんとうなって何度も何度も繰り返して、口は半開きになって恍惚状態。答えが出たとおもってもまた弾く・・・

「共に」、「共」のくずしじは古文書でもこんな感じ。

「成」、2行前では「なる」でした。

変体仮名「能」(の)、初めての時は何だこりゃとおもいましたけどよくでてきます。平仮名「の」が見出しにあります。

「ごとくに」、合字「こと」に「゛」。平仮名「に」がずいぶんとでてきます。たいていは変体仮名「尓」。

「な尓本どに奈るぞ」、平仮名「な」と変体仮名「奈」、平仮名「な」は珍しいのですけど、ここではよく使われています。

 

2021年5月1日土曜日

改算塵劫記P40禰春゛ミ佐んの事 その1

P40禰春゛ミ佐んの事

(読み)

◯禰春゛ミ佐んの事

 ねず みさんのこと


◯正  月 尓ね春゛ミ父 母 出 天子越十  二疋

 しょうがつにねず みちちははいでてこをじゅうにひき


うむおや共 尓十  四 ひきになる此 禰ずミ二

うむおやともにじゅうよんひきになるこのねずみに


月 尓ハ子もまた子越十  二疋 川ゝうむゆへ尓

がつにはこもまたこをじゅうにひきずつうむゆへに


(大意)

◯ねずみ算のこと

正月にねずみ父母がいて子を12匹生む。

親とあわせて14匹になる。このねずみが

2月には子もまた子を12匹ずつ生むので

(補足)

 ねずみがイタチみたいです。七福神のひとり大黒天が難しい顔をしてそろばんをにらんでます。塵劫記はそろばんの詳細な解説書でもあります。全く扱いをしらないところからそろばん名人になるまで図解入りです。そろばんをパチパチ弾くことの快さのために算数・数学をしているような書になっているところが愉快であります。

「禰春゛ミ佐ん」、変体仮名「禰」(ね)。変体仮名「春」(す)、「十」+「て」のようなかたち。変体仮名「佐」(さ)。

変体仮名「天」(て)、「く」の上部に飾りがつきます。変体仮名「越」(を)。

「ひきになる」、「ひ」の最後が内側に入っています。平仮名「に」が何箇所か出てきますがたいていは「尓」のほうが多い。平仮名「な」に見えます、めずらしい。

「禰ずミ」、平仮名「す」はやはりめずらしい。

「十二疋川ゝうむゆへ」、変体仮名「川」(つ)。変体仮名「由」(ゆ)が平仮名のようにみえます。

 江戸中期と後期ではずいぶんと変体仮名や平仮名の使われ方や形も異なっています。