P11P12 国文学研究資料館蔵
P11
(読み)
「さけで命 をけづるハこ可゛多
さけでいのちをけずるはこが た
奈でけ川゛るやう奈もの奈れバ
なでけず るようなものなれば
ま多゛いのちのへる尓てま可゛とれ
まだ いのちのへるにてまが とれ
るけれど女 といふや川ハ男 の命
るけれどおんなというやつはおとこのいのち
をけ川゛るかん奈なれバざんじ能
をけず るかんななればざんじの
うち尓命 可゛へる奈りようじん春
うちにいのちが へるなりようじんす
べし女 ハ命 のて起やくなること
べしおんなはいのちのてきやくなること
あ多可も金 尓やきミそ奈め
あたかもかねにやきみそなめ
くじに志本水 くハ尓和ち う
くじにしおすい かにわちゅう
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さんのごとし
さんのごとし
(大意)
酒で命を削るのは、小刀で削るようなものなので、まだ命を減らすのに時間がかかるけれど、女というやつは、男の命を削る鉋であるから、しばらくのうちに命を減らしてしまう。用心すべし。女は命の処方をまちがえると毒となる薬であり、それはあたかも「金に焼き味噌」、「なめくじに塩」、「スイカに和中散」のようである。
(補足)
「て起やく」、『てきやく【敵薬】処方によっては毒になる薬。「其病人とは大―」〈浄瑠璃・伊賀越道中双六〉』
「金尓やきミそ」、相性があわないたとえ。俗に焼き味噌をつくると金がにげるとされる。とありました。
「水くハ尓和ちうさん」、食い合わせのたとえ。「水くハ」は西瓜🍉。「和中散」は『わちゅうさん【和中散】日本で経験的に用いられている生薬処方。江戸時代の売薬の一。枇杷(びわ)の葉,縮砂(しゆくしや),桂枝など九種類の生薬より成る。食中(あた)りの際に用いられる』
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