2024年4月29日月曜日

延命長尺御誂染長壽小紋 その33

P11P12 国文学研究資料館蔵

P11

(読み)

「さけで命  をけづるハこ可゛多

 さけでいのちをけずるはこが た


奈でけ川゛るやう奈もの奈れバ

なでけず るようなものなれば


ま多゛いのちのへる尓てま可゛とれ

まだ いのちのへるにてまが とれ


るけれど女  といふや川ハ男  の命

るけれどおんなというやつはおとこのいのち


をけ川゛るかん奈なれバざんじ能

をけず るかんななればざんじの


うち尓命  可゛へる奈りようじん春

うちにいのちが へるなりようじんす


べし女  ハ命  のて起やくなること

べしおんなはいのちのてきやくなること


あ多可も金 尓やきミそ奈め

あたかもかねにやきみそなめ


くじに志本水 くハ尓和ち う

くじにしおすい かにわちゅう


P12

さんのごとし

さんのごとし

(大意)

 酒で命を削るのは、小刀で削るようなものなので、まだ命を減らすのに時間がかかるけれど、女というやつは、男の命を削る鉋であるから、しばらくのうちに命を減らしてしまう。用心すべし。女は命の処方をまちがえると毒となる薬であり、それはあたかも「金に焼き味噌」、「なめくじに塩」、「スイカに和中散」のようである。

(補足)

「て起やく」、『てきやく【敵薬】処方によっては毒になる薬。「其病人とは大―」〈浄瑠璃・伊賀越道中双六〉』

「金尓やきミそ」、相性があわないたとえ。俗に焼き味噌をつくると金がにげるとされる。とありました。

「水くハ尓和ちうさん」、食い合わせのたとえ。「水くハ」は西瓜🍉。「和中散」は『わちゅうさん【和中散】日本で経験的に用いられている生薬処方。江戸時代の売薬の一。枇杷(びわ)の葉,縮砂(しゆくしや),桂枝など九種類の生薬より成る。食中(あた)りの際に用いられる』 

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