P5 国文学研究資料館蔵
(読み)
「とう本゛うさく可゛
とうぼ うさくが
命 ハやり能ごとし
いのちはやりのごとし
うらし満太郎 可゛
うらしまたろうが
命 ハ多゛以可゛さ能
いのちはだ いが さの
ことし三うら
ごとしみうら
のお本春け
のおおすけ
可゛命 ハ多
が いのちはた
て可゛さのごとし
てが さのごとし
此 三いろハおもて
このみいろはおもて
多ち多る大 せ川
たちたるたいせつ
奈多゛うぐ奈り
など うぐなり
いのちもま多
いのちもまた
人 の多め尓
ひとのために
大 切 奈多゛う
たいせつなど う
ぐ奈り可゛てん可゛
ぐなりが てんか
\/
がてんか
(大意)
「東方朔の命は槍のごとし。浦島太郎の命は台傘のごとし。三浦大介の命は立傘のごとし。
この三つの傘は、世間に知られる大切な道具である。命もまた人のために大切な道具であるのだ。おわかりか、おわかりか。
(補足)
「多゛以可゛さ」、『1 近世、大名行列などのとき、袋に入れ長い棒の先につけて、小者に持たせたかぶり笠。2 (台傘)傘袋に納めた妻折り傘。高位の人の外出の際に飾り傘として用いた』
「多て可゛さ」、『たてがさ【立て傘】① ビロードまたは羅紗(ラシヤ)などの袋に入れた長柄の傘。江戸時代大名などの行列の時,供の者に持たせた』
これら三つの傘は、身分社会でしたので威儀をととのえるもの、要は格好つけです。武士階級が滅んでいく原因の一つでありました。京伝はそれを承知で皮肉ったのでしょうか。
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