P11P12 国文学研究資料館蔵
P11
(読み)
[酒 で命 をけ川゛る]
さけでいのちをけず る
「命 をけ川゛ると志り奈可゛らどふ
いのちをけず るとしりなが らどう
もさけ可゛やめら
もさけが やめら
れねへどう
れねえどう
春るもん多゛
するもんだ
のミやうじん
のみょうじん
さ満へでも
さまへでも
ぐ王ん可゛け
が んが け
を志やう可
をしようか
「さあいゝ可ん
さあいいかん
多゛もふ一 つ
だ もうひとつ
のめ能王可
のめのわか
くさと志
くさとし
玉 へつぎ春
たまえつぎす
てられ多
てられた
可んざま
かんざま
しハあ
しはあ
け天
けて
志まふ
しまう
可゛いゝ
が いい
公(きミ)ハね
きみ はね
さけのあぢ
ざけのあじ
志ら春゛多゛
しらず だ
「岩 田の〈春やまハよく
いわたの すやまはよく
のめるぞ
のめるぞ
「もふのめねへ
もうのめねえ
これ多゛\/
これだ これだ
(大意)
「命をけずると知りながら、どうも酒がやめられねえ。どうするもんだの明神様へでも願掛けしようか。
「さあ、いい燗だ(神田)。もう一杯飲めの若草とし給え。つぎたしたままの燗冷ましはあけてしまえ。公は寝酒の味知らずだ。
「岩田の『𠆢春』やまはうまいぞ
「もう飲めねえ、これだこれだ。
(補足)
「どう春るもん多゛のミやうじんさ満」とそれをうけて「さあいゝ可ん多゛」と続けて、神田明神様に引っ掛けた洒落か。
「のめ能王可くさと志玉へ」、俗曲文庫端唄及都々逸集○雉子〔地唄〕(三下リ)に「雉子(きぎす)鳴く、野辺の若草摘み捨てられて」とあり、そのもじり、とありました。
「公(きミ)ハねさけのあぢ志ら春゛」、いろいろ想像できますが、何でしょうねぇ?🤔
「岩田の〈春やま」、京都加茂の岩田醸造の銘酒『素山』とありました。ネットでググってもありませんでした。「や」は変体仮名「也」でしょうか。かたちが?
0 件のコメント:
コメントを投稿