P7P8 国文学研究資料館蔵
P7
(読み)
「と奈りてハ
となりでは
者つ可川本で
はつがつおで
いきのびるつもり
いきのびるつもり
多゛可゛こつちハくハ
だ が こっちはくわ
春゛のま春゛者ら
ず のまず はら
よし者らでいのち
よしわらでいのち
をの者春おれ可
をのばすおれが
命 ハよくのひる
いのちはよくのびる
いのち多可゛と可く
いのちだが とかく
子ともら可゛奈
こどもらが な
尓可尓つ
にかにつ
けておや
けておや
のいのちを
のいのちを
ちゞめをる
ちじめをる
「かゝア尓者奈げを
かかあにはなげを
の者゛春とち可゛川て
のば すとちが って
命 を能者春ハてま可゛
いのちをのばすはてまが
とれる
とれる
「いのちとおもふ阿
いのちとおもうあ
王せ志ちやへゆく
わせしちやへゆく
(大意)
「隣では初鰹で命を延ばすつもりだが、こっちは食わず飲まず、節約して命を延ばす。俺の命はよく延びる命だが、とかく子どもらが何かにつけて親の命を縮める。
「カカアに鼻毛を伸ばす(甘くなる)のとはちがって、命を伸ばすのは手間がかかる
「命とおもう袷質屋へ行く」
(補足)
「者つ可川本で」、「可川を」のようにみえますが、変体仮名「本」です。
「者らよし者らで」、吉原に行ってちゃ金も貯まらず命も延ばせないので、行った気になって節約しての意味でしょうか、よくわかりません。
「こつちハくハ春゛」、「ハ」が判別しにくい。「く」は変体仮名「久」かも。
「と可く」、前後のつながりからなんとかよめそう。
命の棒を頁をまたいで引っ張りのばす男の絵はなかなかしゃれてます。
袷質屋へ行く姉さんは「質之道」、すぐ右脇のセリフ「うへ多゛のあハせをまげて」にひっかけたのでしょう。
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