2024年4月11日木曜日

延命長尺御誂染長壽小紋 その15

P5 国文学研究資料館蔵

(読み)

本うそ可命  ハくじらさし

ほうそがいのちはくじらさし


尓て七 百  丈  可゛んく王い可゛い

にてななひゃくじょうが んか いが い


のちハ可川゛さもめん

のちはかず さもめん


尓てじやう奈し

にてじゃうなし


奈可いも

ながいも


あれバ

あれば


みじ

みじ


可以も

かいも


あるハ八百や

あるはやおや


のゑんのし

のえんのし


多と人 の

たとひとの


命  奈り

いのちなり


「おれ可゛いのちを

 おれが いのちを


やりに多とへ多ハ命

やりにたとえたはいのち


を多゛以じ尓志ろやり者゛奈し尓春る奈と

をだ いじにしろやりぱ なしにするなと


いふこと多゛

いうことだ


命  ハ多゛以じの多゛うぐ

いのちはだ いじのど うぐ

(大意)

 彭祖(ほうそ)の命は鯨尺で七百丈、顔回の命は上総木綿で一丈にも及ばない。長いのもあれば短いのもあるのは八百屋の縁の下と人の命である。

(東方朔)「おれの命を槍にたとえたのは、命を大事にしろ、やり(槍)っぱなしにするなということだ。

命は大事な道具

(補足)

「本うそ」、『ほうそ はう― 【彭祖】

中国古代伝説上の長寿者。帝顓頊(せんぎよく)の玄孫。常に桂芝を食し,導引の術をよくし,夏(か)を経て殷(いん)末には七百余歳に達したという』

「くじらさし」、「可゛んく王い」、ここの「く」はほとんどカタカナ「ム」、このあとの「人の命奈り」の「人」とほとんど同じかたちでもあります。

「可゛んく王い」、『がんかい ―くわい 【顔回】

[前514〜前483]中国,春秋時代の魯(ろ)の学者。孔門十哲の第一。字(あざな)は子淵(しえん)。貧家に生まれたが,学問を好み孔子に重んじられた。早逝し,孔子を嘆かせた。顔淵』

「奈可いもあれバみじ可以もあるハ八百やのゑんの多」、ものの本には「もと深川遊里からはやりだした流行歌」とありました。この頃にはさつまいもがあったので、この芋(いも)を引っ掛けたのでは。

 

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