P6 国文学研究資料館蔵
(読み)
者゛くや可゛つるぎも毛ちて尓
ば くやが つるぎももちてに
よる奈可゛い以のちをさづ可り
よるなが いいのちをさずかり
て毛もちての手をきが
てももちてのてをきが
王るけれバち うとでおれ
わるければちゅうとでおれ
多りさ起をちゞめ多りする
たりさきをちじめたりする
ことありこれミ奈いつ心 の
ことありこれみないっしんの
もちやうあしくま多ハふ
もちようあしくまたはふ
やうじやう奈る可由へ奈り
ようじょうなるがゆへなり
いのちといふものハ多とハゞ
いのちというものはたとわば
いあ以ぬき能可多奈のごとし
いあいぬきのかたなのごとし
(大意)
莫耶が剣(名刀)も持ち手により切れ味がことなる。長い命を授かっても、持ち手の使い方が悪ければ、中途で折れたり、先が欠けたりすることがある。これはみなひたすら心の持ちようが悪いか、または不養生のためである。
命というものは、たとえると、居合抜きの刀のようなものである。
(補足)
出だし「者゛くや」から、つっとって、そのあともどこで区切ったらよいのか何度も音読するもよくわからず。それが数行続きました。なかなかやっかい。
「者゛くや」、『【莫耶】① 名剣のこと』『かんしょうばくや かんしやう―【干将莫耶】
〔「呉越春秋」から。中国の春秋時代に,呉の刀工干将が呉王闔閭(こうりよ)の頼みで剣を作るとき,妻莫耶の髪を炉に入れて作り,できあがった二振りの名剣に「干将」「莫耶」と名付けたことから〕名剣のこと』
「つるぎも毛ちて尓よる」、変体仮名「も」が二種類つづいています。
「もちやうあしくま多ハ」、「あしく」を「尓天」と間違えました。「ま」は二画目の横棒の左側が欠けているだけで、惑わされてしまう。
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