2024年4月18日木曜日

延命長尺御誂染長壽小紋 その22

P7P8 国文学研究資料館蔵

P8

(読み)

「命  をの者゛さんとて

 いのちをのば さんとて


きん\/をふん多゛んに

きんぎんをふんだ んに


つ可以うへ奈起多のしミ

つかいうえなきたのしみ


をしても志りのつまら

をしてもしりのつまら


ぬことあれバ能者し多

ぬことあればのばした


命  可へつて十 そう者゛い尓

いのちかえってじっそうば いに


ちゝまることありく者ず

ちじまることありくわず


ひんらくといふこと王さも

ひんらくということわざも


ありせ川ちんの満ど可ら

ありせっちんのまどから

(大意)

 命を延ばそうと金銀をふんだんに使い、これ以上ないような楽しみ方をしても、そのあとの始末をきちんとしなければ、延ばした命はかえって十数倍にも縮まることがある。

 くわず貧楽という諺もある。雪隠の窓から

(補足)

 この頁も全体に読みづらい。

「うへ奈起多のしミ」、「う」は変体仮名「可」とも読めて、意味も通じてしまいます。変体仮名「多」の上半分が欠けてます。

「そう者゛い」、『そうばい 【層倍】(接尾)助数詞。数を表す漢語について,その倍数だけあることを表す。「倍」を強めた言い方。「くすり九―」「今投資すると何―ももうかる」』

「く者ずひんらく」、『「食わず貧楽高枕」。生活は貧しくても、心は安らかに暮らしていることで、利益や名誉などを求めず、清貧に甘んじる境地をいう。たんに「食わず貧楽」だけでも用いる』

 

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