2024年4月23日火曜日

延命長尺御誂染長壽小紋 その27

P9 国文学研究資料館蔵

(読み)

「金 尓うらミ可゛か川\/ごさ

 かねにうらみが かずかずござ


るおやの金 をつ可ふと起ハ

るおやのかねをつかうときは


かきやうむち うとひゞく

かぎょうむちゅうとひびく


奈りおの可金 をつ可ふと起

なりおのがかねをつかうとき


ハ志じ う滅亡(めつ本う)と

はしじゅう   めつぼう と


ひゞく奈り正

ひびくなりしょう


じき里ち

じきりち


ぎの帳  あ以

ぎのちょうあい


ハ可くべつき

はかくべつき


らくとかせく

らくとかせぐ


奈りきひて

なりきいて


おどろく人

おどろくひと


もなし

もなし

(大意)

 金に恨みが数々ござる。親の金を使うときは、家業夢中と響くなり。おのが金を使うときは、始終滅亡と響くなり。正直律儀の帳合は格別気楽と稼ぐなり。聞いて驚く人もなし。

(補足)

 とても読みにくく、文章の理解も難しい。

「つ可ふと起ハ」、「ふ」は前後の文字から類推。

「おの可金をつ可ふと起」、ここの「つ可ふと起」も判読しにくいが、二行前と同じようなので、ここも類推。

「滅亡(めつ本う)」、「滅」はつぶれてしまって読めませんがふりがなからなんとか、このふりがなもつぶれてしまっています。

「里ちぎ」、「里」が二文字のようにみえて、悩みどころ。

「可くべつきらく」、「く」がわかりずらい。

「おどろく」、「ど」のかたちがいまひとつ不明。

 この部分は『京鹿の子娘道成寺の歌詞〽鐘に恨みは数々ござる 初夜の鐘を撞く時は 諸行無常と響くなり 後夜の鐘を撞く時は 是生滅法と響くなり 晨鐘(じんじょう)の響きは生滅滅己(しょうめつめついいりあい) 入相は寂滅為楽(じゃくめついらく)と響くなり 聞いて驚く人もなし』の替え歌。初夜の鐘は午後8時、後夜は午前4時に撞く鐘のこと。

 替え歌の内容は何を言わんとしているのか、悩みます。ウ~ン🤔

 

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