P7P8 国文学研究資料館蔵
P8
(読み)
「梅 可゛枝も
うめが えも
や川多王いナア
やったわいなあ
と志らてい王ぬハ志ち
としらでいわぬはしち
ハよつ本゜どおくまし起
はよっぽ どおくまじき
ものとミへ多り
ものとみえたり
「命 を能者゛す」
いのちをのば す
「け ふハよくいのち可゛
きょうはよくいのちが
のびやし多志多可゛
のびやしたしたが
おまへももふ五十
おまえももうごじゅう
ぢ可いせへ可
ぢかいせえか
ところ\゛/いのち
ところどころいのち
尓志王可゛より
にしわが より
やし多
やした
ひのしを
ひのしを
可け
かけ
や
や
しやう
しょう
「と川さんおめへの
とっさんおめえの
命 ハ
いのちは
あめの
あめの
やう多゛
ようだ
本゛う尓
ぼ うに
くん奈\/
くんなくんな
(大意)
「梅が枝もやったことだと、そのまま言ってしまうと、質はよほどでなければ入れるものではないと考えるのだけれど。
「命を延ばす」
「今日は命がよく延びました。けど、お前ももう五十近いせいか、ところどころ命にシワがよりました。火熨斗(ひのし)をかけましょう。
「とうちゃん、おめえの命は飴のようだ。オレにくんなくんな。
(補足)
「梅可゛枝もや川多王いナア」、「ひらがな盛衰記」の中の文句。ネットのHPから無断借用すると、『四段目―神崎の廓に身を沈め、傾城梅が枝(うめがえ)と名乗る千鳥は、源太の出陣に必要な産衣(うぶぎぬ)の鎧を請戻す金の工面に心を砕き、無間の鐘をついても三百両を得たいと思い詰める。来合わせた延寿がそれと言わずに金を与える。梶原父子を親の敵と狙う姉お筆も、延寿の情ある計らいに心解け、源太は出陣する』、とありました。
「志らてい王ぬ」、ありのまま飾り気なく言うこと、とありました。
「梅可゛枝〜ものとミへ多り」の解釈がよくわからないながらも大意のようにしました。左の頁の鰹を買うのに上田の袷を質にいれた(曲げて)ことをうけての文句だとおもうのですけど、ウ~ン🤔
この部分も文字がかすれていたりかけたりで読みづらい。「梅」などつぶれてしまっていて読めません。
命のあたまを棒にひっかけ延ばしている男の嫁さんが右手に持っているのが火熨斗、アイロンです。ほんの数十年前まで使われていたし、いまでも職人さんたちに使われています。その子どもが延びている様が飴の棒のようなので、なめたいわけ。
ところで火熨斗をもつ奥さんの着物の裾がぞろぶいていますが、家の中では身分にもよりましたが、このような着方が普通だったようで、多くの絵に残っています。長屋のかみさんなどはしなかったでしょうけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿