P4 国文学研究資料館蔵
(読み)
こくうそう本゛さつ
こくうぞうぼ さつ
「春いふん多けの奈可゛ひ
ずいぶんたけのなが い
じやうぶ奈志満
じょうぶなしま
可゛ら能よいいのち
が らのよいいのち
可゛本しひ
が ほしい
「七 十 古来(こらい)まれ奈り
しちじゅう こらい まれなり
と申 せバ七 十
ともうせばしちじゅう
よりいしやうの
よりいじょうの
いのちハ多し
いのちはたし
奈うござり
なうござり
ま須
ます
「こくう
こくう
ぞうさ満ハこ
ぞうさまはこ
くう尓おねぎり奈さるでこまるぞ
くうにおねぎりなさるでこまるぞ
(大意)
虚空蔵菩薩「ずいぶんと丈の長い丈夫な縞柄のよい命がほしい」。
「七十は古稀(古来稀なり)といい、七十以上の命は品不足でござります。
「虚空蔵様は、こくうに(むやみやたらに)お値切りになさるので困るぞ。
(補足)
虚空蔵菩薩と「水」の番頭のやりとり。
「たし奈う」、『たしな・い【足し無い】(形)《文ク たしな・し》
① 数・量が少ない。乏しい。「―・い船の中の淡水では洗つても〱」〈或る女•武郎〉』
「こくう」、『【虚空】(名•形動ナリ)
③ 深い考えがないさま。むやみやたらに。「日本人と見ると―に相撲を取りたがる」〈咄本・鹿の子餅〉』
「こくう」、ここの「く」は「ム」の「ヽ」がながれているので、間違えやすい。
箱看板には「長寿屋」「壽命品々」「万左エ門」「大丈夫請合賣」とあります。「一」「力」を「万」としましたが、さて?
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