2024年4月8日月曜日

延命長尺御誂染長壽小紋 その12

P4 国文学研究資料館蔵

(読み)

こくうそう本゛さつ

こくうぞうぼ さつ


「春いふん多けの奈可゛ひ

 ずいぶんたけのなが い


じやうぶ奈志満

じょうぶなしま


可゛ら能よいいのち

が らのよいいのち


可゛本しひ

が ほしい


「七 十  古来(こらい)まれ奈り

 しちじゅう   こらい まれなり


と申 せバ七 十

ともうせばしちじゅう


よりいしやうの

よりいじょうの


いのちハ多し

いのちはたし


奈うござり

なうござり


ま須

ます


「こくう

 こくう


ぞうさ満ハこ

ぞうさまはこ


くう尓おねぎり奈さるでこまるぞ

くうにおねぎりなさるでこまるぞ

(大意)

虚空蔵菩薩「ずいぶんと丈の長い丈夫な縞柄のよい命がほしい」。

「七十は古稀(古来稀なり)といい、七十以上の命は品不足でござります。

「虚空蔵様は、こくうに(むやみやたらに)お値切りになさるので困るぞ。

(補足)

虚空蔵菩薩と「水」の番頭のやりとり。

「たし奈う」、『たしな・い【足し無い】(形)《文ク たしな・し》

① 数・量が少ない。乏しい。「―・い船の中の淡水では洗つても〱」〈或る女•武郎〉』

「こくう」、『【虚空】(名•形動ナリ)

③ 深い考えがないさま。むやみやたらに。「日本人と見ると―に相撲を取りたがる」〈咄本・鹿の子餅〉』

「こくう」、ここの「く」は「ム」の「ヽ」がながれているので、間違えやすい。

 箱看板には「長寿屋」「壽命品々」「万左エ門」「大丈夫請合賣」とあります。「一」「力」を「万」としましたが、さて?

 

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