P3P4 国立国会図書館蔵
P4
(読み)
ごぜへせ う今 可らぐ川と
ごぜえしょういまからぐっと
とび出しハ於もくろ山 の
とびだしはおもくろやまの
むらつ者゛め
むらつば め
柳 者し尓
やなぎばしに
さい王い
さいわい
や川
やつ
可れ
がれ
奈じ
なじ
ミ
み
の
の
舟 やど
ふなやど
もあれバ
もあれば
サア\/すぐいき
さあさあすぐいき
\/とせり多つ
いきとせりたつ
連バ善 多満しゐ
ればぜんたましい
イヤ\/ふ年も
いやいやふねも
へち
へち
まも
まも
いらぬと
いらぬと
ひとこゑ
ひとこえ
のりものこれへと
のりものこれへと
与へハ一ツへんのく毛於こり
よべばいっぺんのくもおこり
善 多満しゐと京 伝 を
ぜんたましいときょうでんを
のせどこへ行 可と思 つ多ら
のせどこへゆくかとおもったら
京 伝 可゛東 と奈りのうとく
きょうでんが ひがしとなりのうとく
なるあきんど無名(むめい)や
なるあきんど むめい や
無(む)次郎 可゛家 尓来 り个れども
む じろうが いえにきたりけれども
多れあつて志るもの奈し
だれあってしるものなし
(大意)
(「こりゃあ行くほうで)ございやしょう。今からぐっとくり出せば
おもくろ山の群燕。柳橋に幸いわたしの馴染みの舟宿もあるので、
さあさあすぐ行きましょう行きましょう」とせかせると、
善魂「いやいや舟もヘチマもいらぬ」と一声、
「のりものをこれへ」と呼ぶと、一片の雲が起こり、
善魂と京伝をのせ、どこへ行くかとおもったら、
京伝の東隣の裕福な商人無名屋無次郎の家に来たのだが、
誰にも知られることはなかった。
(補足)
「於もくろ山のむらつ者゛め」、面白いの意味の洒落。
「舟やど」、於やど?かとおもってよくみると「舟」でした。
「ひとこゑ」、「と」と「こ」のつながりがよくわかりません。
「へちまも」「のりもの」「く毛」、「も」のかたちがみなことなります。
善魂は天狗の羽うちわならぬ軍配をもっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿