2023年11月26日日曜日

人間一生胸算用 その6

P1P2 国立国会図書館蔵

P2

(読み)

◯心  こそ心

 こころこそこころ


まよハ須

まよはす


心  奈り

こころなり


◯心  多゛尓まことのミち尓可奈ひ奈ハといふ

 こころだ にまことのみちにかないなはという


神詠(しんゑい)を思 ふ尓つけと可く大 事奈

   しんえい をおもうにつけとかくだいじな


ものハ心  じや

ものはこころじゃ


「大 事奈こゝろ本ん多゛ハら

 だいじなこころほんだ わら


奈どゝ王るひぢ口 を

などとわるいじぐちを


いふ奈ども

いうなども


や川ハり心  の志王ざじや

やっぱりこころのしわざじゃ

(大意)

『心こそ心迷わす心なり』。

『心だに誠の道にかないなば』という菅原道真公御神詠の歌にもあるように、とかく大事なものは心じゃ。」

「大事な心ほんだわら」などと悪いダジャレを云うのも、やっぱり心の仕業じゃ。

(補足)

『鴨長明四季物語』に「心だに誠の道にかないなば祈らずとても神や守らん」の歌は北野神詠(菅原道真の歌)としてみえると、ものの本にはありました。

「本ん多゛ハら」、「本当だから」を海藻の「ホンダワラ」にひっかけた洒落。

「心」は筆を運ぶときに横の動きを意識しますが、そのくずし字はむしろ縦方向になります。

 

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