P1P2 国立国会図書館蔵
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(読み)
毛のいふハ雷(らい)の者つする可゛
ものいうは らい のはっするが
ことく可ら多゛尓生(せ うず)る
ごとくからだ に しょうず る
のミ志らミハとりけ多゛もの
のみしらみはとりけだ もの
の生 ずると同 じどうり
のしょうずるとおなじどうり
それじや尓よ川天ま多ぐらの
それじゃによってまたぐらの
谷(多尓)あい尓ハまつ多けも志やうじ
たに あいにはまつたけもしょうじ
遍その下 のうミべ尓ハあ可かいも
へそのしたのうみべにはあかがいも
うまるゝて奈い可そのうち
うまるるでないかそのうち
心 といふものハ天 地ぞうくハの
こころというものはてんちぞうか の
神 尓飛としくこのものゝ
かみにひとしくこのものの
里やうけん志だひ尓てせいしんや
りょうけんしだいにてせいじんや
(大意)
言葉は雷の発するがごとく、体に生ずる蚤虱(のみしらみ)は、鳥獣に生ずるのとおなじ道理である。それじゃによって、股ぐらの谷あいには松茸も生じ、臍の下の海辺には赤貝も埋まっているではないか。それらのなかでも、心というものは、天地造化の神に等しく、このものの考え次第で、聖人や(仏(ほとけ)も生まれ)
(補足)
変体仮名「毛」(も)この一文字だけを読むとなるとわからなさそう。
変体仮名「遍」(へ)は特徴的なのでおぼえやすい。
「あ可かいもうまるゝ」、「生まる」が適当なのでしょうけど「海辺に赤貝が埋まる」のほうが真面目な講釈のなかでちょっとニヤリとできます。
「心」のくずし字と、次の行の変体仮名「飛」(ひ)がにてます。どこにちがいがあるかというと、さがしてみてください。
「せいしんや」、「精神」としてしまいそうですが、読みすすめれば「聖人」とわかります。
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