P1P2 国立国会図書館蔵
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(読み)
本とけもうまれ又 於尓も
ほとけもうまれまたおにも
てんぐもうまれるかてん可\/ と
てんぐもうまれるがてんかがてんかと
古風 奈せりふ尓て
こふうなせりふにて
博物志(者くふ川し)尓いふ土肉川脈(ど尓くせんミやく)の
はくぶつし にいう どにくせんみゃく の
引くり可へしをいひき可せる
ひくりかえしをいいきかせる
「◯老子(ロウシ)ハ聖人(セイシン)虛₂(キヨニス)其心₁(ソノコゝロヲ)ト書
ろうし は せいじん きょにす そのこころを とかき
◯大學(タイカク)ニハ先(マツ)正₂(タゝシフス)其心₁(ソノコゝロヲ)ト書
だいがく には まず ただしうす そのこころを とかく
◯華厳經(ケゴンキヤウ)ニハ
けごんきょう には
唯(ユイ)一 心 と説(トキ)テ
ゆい いつしんと とき て
(大意)
仏も生まれ、また鬼も天狗も生まれる。合点か合点か」と
古めかしい言い回しで、「博物誌」の説明にあった「土は肉、川は脈」の逆を
言って聞かせた。
京伝はただ「ごもっともごもっとも」と合わせていた。
「老師は『聖人は其の心を虛にす』と書き
大学には『まず其の心を正しうす』と書き
華厳經には『唯一心』と説いて、
(補足)
「博」の旁のくずし字は「寺」のくずし字とにています。「ち」と「る」が合体したようなかたち。
「土肉川脈」などという四字熟語はなく、博物誌では大地を人にたとえ「石為之骨 川為之脈 草木為之毛 土為之肉」からとったもの。
大地を人にたとえる講釈は、とても腑に落ちるものであります。宇宙の神秘はそのまま人体のまた生きとし生けるものの不思議さにつながります。
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