P2P3 東京都立図書館蔵
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(読み)
〽多とへのふし尓さると
たとえのふしにさると
いぬハ奈可能和ろ起
いぬはなかのわろき
もの奈連ども志やう
ものなれどもしょう
志゛起ふう婦のとくじつ
じ きふうふのとくじつ
由ゑ尓可ハるゝものまで
ゆえにかわるるものまで
和志゛由んしてちんと
わじ ゅんしてちんと
さるハべ川して奈可
さるはべっしてなか
与くきぢ奈どハ
よくきじなどは
このうちのあひ口 奈り
このうちのあいくちなり
(大意)
そのような生活をしていたからでしょう、猿と犬は仲の悪いものですが
正直夫婦の篤実さが、飼っているものまで仲良く暮らすことになっていって
特に犬と猿は格別仲がよく、雉などはすっかりこの家になじんでいました。
(補足)
「このうちのあひ口奈り」、「こ」と「と」は判別しにくい。「う」がかすれていてわかりずらく、またこの「う」は長細い。「口」が「に」にみえてこの行を理解するのに手間取りました。
爺さんは擂粉木で雉の餌でもこしらえているのでしょうか。
文章にもあるとおり正直夫婦のお互いかわしあう表情も雰囲気も、篤実そのもの。
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