2023年8月29日火曜日

桃太郎発端話説 その6

P2P3 東京都立図書館蔵

P2

(読み)

〽多とへのふし尓さると

 たとえのふしにさると


いぬハ奈可能和ろ起

いぬはなかのわろき


もの奈連ども志やう

ものなれどもしょう


志゛起ふう婦のとくじつ

じ きふうふのとくじつ


由ゑ尓可ハるゝものまで

ゆえにかわるるものまで


和志゛由んしてちんと

わじ ゅんしてちんと


さるハべ川して奈可

さるはべっしてなか


与くきぢ奈どハ

よくきじなどは


このうちのあひ口 奈り

このうちのあいくちなり

(大意)

 そのような生活をしていたからでしょう、猿と犬は仲の悪いものですが

正直夫婦の篤実さが、飼っているものまで仲良く暮らすことになっていって

特に犬と猿は格別仲がよく、雉などはすっかりこの家になじんでいました。

(補足)

「このうちのあひ口奈り」、「こ」と「と」は判別しにくい。「う」がかすれていてわかりずらく、またこの「う」は長細い。「口」が「に」にみえてこの行を理解するのに手間取りました。

 爺さんは擂粉木で雉の餌でもこしらえているのでしょうか。

文章にもあるとおり正直夫婦のお互いかわしあう表情も雰囲気も、篤実そのもの。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿