P2P3 個人蔵
(読み)P3
to cut wood, when the rain began to
pour and the wind to blow so very
hard, that finding it impossible to
return home, and filled with fear, he
took refuge in the hollow of an old
tree. While sitting there doubled up
and unable to sleep, he heard the con-
fused sound of many voices in the
distance gradually approaching to
where he was. He said to himself,
"how strange! I thought I was all
alone in the mountain but I hear the
voices of many people"; so taking cour-
rage he peeped out, and saw a great
(大意)
(老人は)木を伐かり(に山へ行きましたが)、雨が降り始め
風も強く吹きだしはじめました。帰り道がわからなくなって、
不安がつのり、老人は一本の古木の洞(うろ)に避難しました。
その中に体を二つに折って身をひそめ眠ることもできずにいると、なんだかみょうな大勢の
声が聞こえてきました。それらは少しずつ老人の方へと近づいてくるのでした。
老人はひとりつぶやきました。「なんてこった!山の中でひとりだとおもっていたのに、
大勢の声が聞こえるぞ」。勇気をふりしぼって洞からのぞいてみると、
(奇妙ないでたちをした生き物の大群衆を)見たのでした。
(補足)
洞の中の老人の表情は雨風から避難できたためかホッとして柔和です。外は大雨ですがちりめん本だとその雨も本物の雨のような表情に見えます。「doubled up」今で言う体育座りですが、なるほど両膝を両手で抱え込み窮屈そう。古い大木とその洞は丁寧に描かれています。