2023年3月2日木曜日

かち\/山(小森宗次郎)その9

P6 国立国会図書館蔵

(読み)

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 つぎより


たぬき尓奈春

たぬきになす


連バなを\/

ればなおなお


なやミ

なやみ


くるしミける可゛

くるしみけるが


うさぎ

うさぎ


ふねを

ふねを


つくり

つくり


たぬ

たに



尓◯


春ゝ

すす



つちふねを

つちふねを


つくらせふ多り

つくらせふたり


志てうミへのりだし

してうみへのりだし


(大意)

たぬきになすりつけると

なおいっそう

やけどに苦しみましたが

うさぎは船をつくり

たぬきにもすすめ

土船をつくらせ

二人して沖へ乗り出し


(補足)

「奈春連バ」、変体仮名三つ、少々悩むところです。

「なやミ」、「なやむ」だけで病気という意味があると辞書にありました。なのでここは「やけど」。

「くるしミ」、平仮名「く」が「ム」のようになっていますが、このかたちも多いです。

「春ゝめ」、変体仮名「春」(す)がわかりずらい。

「つくらせ」、「ら」は「ち」ではありません。

「うミへ」、「ミ」が上下にくっついているのでわかりずらい。

 どの頁もなぜか赤色の置き方が乱暴でほとんどはみ出しています。摺師がいまひとつだったのか。

うさぎが手にしているのは火打ち道具。

 

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