表紙 個人蔵
(読み)
JAPANESE FAIRY TALE SERIES No.10
The Wonderful Tea-Kettle.
By Mrs.T.H.James
(大意)
略
(補足)
前回のかちかち山ではたぬきは悪役でしたが、今回はめでたい役で登場です。
このちりめん本の表紙はけっこう、すれてしまっていて文字もやっと読めるくらい。茶釜をteakettleとジェームス夫人は訳しましたが、なるほどヤカンのひとつには違いがありません。ちなみに保温ができるような形状のものはpotになるそうですけど。
表紙が全体にくすんで傷んでいるので何がどうなっているのかいまひとつわかりにくので、ちと説明を。茶釜が収納されている箱に紫色の箱をくるむ風呂敷がかけられています。その上に箱の中身の茶釜がのっているという画。
茶釜は右側の先端には数本の髭があるのですけど、こすれてなくなってしまったようです。そしてその左上にはひょうきんな目があって眉毛はなんとかみえそうです。そして茶釜の取っ手を耳にみたて、金の輪をイヤリングにしているところがお茶目です。ずっと左端にいって尻尾なのですが、これも残念なことに本来描かれていた尻尾の毛並みがわかりません。下半分の四隅には短い脚があり、前足にはかろうじて爪があるのがわかります。
茶釜全体をもっこりとしたたぬきに見立てかわいらしく仕立てた表紙となりました。
箱の左下に薄緑の紐のようなものがあります。これはよくある茶道具にかける真田紐(さなだひも)のようにみえますけど、よくわかりません。
わたしは木版画によくつかわれるこの風呂敷(または袱紗)の紫色が好きで、着物にもよく使われていてうっとりしてしまいます。
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