2022年9月23日金曜日

かち\/山咄し(木村文三郎) その5

P2 国立国会図書館蔵

P3前半

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(読み)

者゛アさん尓む可ひ王多し可゛奈王を

ば あさんにむかいわたしが なわを


といてく多゛さらバむ起゛つくてつ多゛ひ

といてくだされらばむぎ つくてつだ い


をい多しま春とまことしや可尓者゛ゝ

をいたしますとまことしやかにば ば


アを多゛まし奈王をと可せて者゛ゝアを

あをだ ましなわをとかせてば ばあを


さん\゛/にて うちゃく奈しつゐ尓ハうち

さんざ んにちょうちゃくなしついにはうち


(大意)

婆さんにむかって「わたしの縄を

ほどいてくだされば、麦つきをお手伝い

いたします」とまことしやかに、ババアを

だまし縄をとかせて、ババアを

さんざんに打擲(なぐりたたくこと)し、とうとう

打ち(殺して)


(補足)

 とても不鮮明で読むのも困難ですが話の筋はわかっていますのでそれを頼りに解読します。

「王多し可゛奈王を」、「王多し」の次がわかりません。

「といてく多゛さらバ」、「く多゛」の次は「さ」でまちがいないとおもいます。しかしその次が「れ」だとつながりがよいのですが「れ」にはみえません。

「奈王をと可せて」、「と可せて」としましたが「とせて」とみえます。

  P2の絵は作者のちょっとした含みがありそうです。大きな袋に見えますがこれはきっとたぬきの金袋なのではないでしょうか。ちょうどたぬきの股下のあたりから出ていることもありますし、袋の表面はたぬきの毛でおおわれているようにも見えます。その袋から両手が右側に、両足がたぬきの脚もとに突っ張って出ています。恐ろしい。

 

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