2022年9月19日月曜日

かち\/山咄し(木村文三郎) その1

表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

かち\/山 咄  し

    やま者゛奈

かちかちやまば なし


(大意)

(補足)

 前回のBlog「桃太郎一代記」がおわって、再度木村文三郎の豆本をさがしてみたら、この「かち\/山咄し」がありました。そして表紙をみたらうれしい驚きです。「あさ可゛本物語」の絵師と同じなのでした。目が細く切れ上がり、表情は柔和さより鋭さが目立つ描き方で現代的で劇画風なところもあって現在から見ると先鋭的といってよいです。実際このような表情や描き方でかいている漫画家さんが現在いらっしゃいます。

 この豆本シリースは絵師として小林英次郎(幾久)がかかわっているのですが、彼のような気もしますけど何度か見くらべてみるとやはりここまで画風をかえることはないでしょうから、作者不詳の誰かさんだとおもいます。

 この豆本は一冊まるまる赤く変色してしまっています。日焼けでしたら頁ごとに差があるはずですが頁に関係なく一様に全部の頁が赤く変色しているのは印刷に使われたインクがこの豆本だけ他のものとは異なっていたのかもしれません。しかしこの一冊だけインクをかえるのも妙なはなしです。うーん、詳しい方にお聞きしたいです。

 ラベルが顔の真上に貼ってあります。わたしがこの仕事をした人の上司なら貼った方の顔に同じことをしますね。表題の右側に空白があるのにわざわざ顔にかぶせて貼ることはないでしょう。

 表紙は店に並べたとき、お客さんに手にとってみてもらうため、絵師は一番気合を入れて描くところです。これなら誰でも手がでてしまうでしょう。すばらしいできばえであります。

 

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