2022年9月25日日曜日

かち\/山咄し(木村文三郎) その7

P4 国立国会図書館蔵

P5前半

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(読み)

かくとも志ら春゛ぢゝいハや満

かくともしらず じじいはやま


より多起ゞをせおひ可へりき

よりたきぎをせおいかえりき


多連バ多ぬきの者゛ゝアハ??

たればたぬきのば ばあは


ぢいさんく多び連多であらう

じいさんくたびれたであろう


あさい者つしやつ多たぬき

あさいわっしゃったたぬき


志゛るをこしらへ多りとぜん多゛て

じ るをこしらえたりとぜんだ て


(大意)

そうともしらず、ジジイは山

より薪(たきぎ)を背負い帰ってきました。

たぬきのババアは

「さあさあじいさんくたびれたことでしょう。

朝、言ってらっしゃったたぬき汁

をこしらえましたよ」と

食事の支度を


(補足)

 1ページ前はあれほどボケて不鮮明だった文章も、この頁ではなんともありません。

何が原因なのでしょう?

「や満」、「や」が現在の「ゆ」にみえますが、「や」です。「ゆ」はたいてい変体仮名「由」を使います。

3行目の行末「者゛ゝアハ」の次がよくわかりません。呼びかけの「ヤウ\/」のように読めますがよくわかりません。

「い者つしやつ多」、そのまま「いはつしやつた」と読むと、さて?と考えてしまいます。

 P4はババア汁ジジイに食わせるの絵。爺さん婆さんの顔の描き方が何度も言ってしまいますがこの作者独特の表現であります。

婆さんの姿のどこかにたぬきの片鱗が描かれてないかを拡大して調べましたがなさそうです。

後ろのついたてにはすすきに満月、P5に目をやるとぽんぽこたぬきが描かれてました。

 

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