P11上段 国立国会図書館蔵
(読み)
多可ら
たから
ものを▲
ものを
▲さゝげて
ささげて
奈尓とぞ
なにとぞ
一 めいハお
いちめいはお
多春け
たすけ
く多゛さい
くだ さい
とね可゛
とねが
ひ
い
个れバ
ければ
もゝ▲△
もも
「お尓の
おにの
め尓
めに
奈
な
ミ多゛
もだ
とハ
とは
このこと多゛
このことだ
(大意)
宝ものを
捧げて
なにとぞ一命は
お助けください
と願い出たので
桃(太郎は)
「鬼の目に
涙とはこのことだ
(補足)
「多可らものを」、「多可ら」が「多ろう」と読めなくもありません。これらはとてもよくにています。P10「可うさん奈春よしを」の「可う」も「ろう」と読み間違えるくらいにています。
「さゝげて」、「お多春け」では平仮名「け」ですが、昔ながらの言い回し「个れバ」になると変体仮名「个」(け)になってしまいます。
鬼たちが袖の中に手を入れて中国式の挨拶をしています。ちょっとした時代背景がありそうです。この豆本シリーズが出版されたのが明治15年(1882年)です。その7年前明治7年(1874年)に清国領台湾へ明治政府は初めての海外出兵と戦闘をしています。またその翌年明治8年には朝鮮の江華島事件がありました。鬼たちが戦いのときに使っていた武器も清国の様式のものだったのかもしれません。
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