P3後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
官 是 越聞 円 海 越とらへ天詮 議尓及 个る尓者
く王んこれ きゝ せんぎ および
か んこれをききえんかいをとらえてせんぎにおよびけるには
多し天違 ふ所 奈く土 の松 原 と云 所 へ引 出 し
多可゛ところ つち まつバら いふところ ひきい多゛
たしてたがうところなくつちのまつばらというところへひきいだし
天死罪 尓行 ハ連个る尓其 夜与りし天円 海 可゛
しざ以 於こ奈 その与 ゑん可以
てしざいにおこなわれけるにそのよよりしてえんかいが
霊 小僧 と共 尓井戸端 尓夜春可゛ら争 ひ深
連以こ曽゛う とも ゐど者゛多 与 阿ら曽 志ん
れいこぞ うとともにいどば たによすが らあらそいしん
更 尓い多り天共 尓井の底 尓組 天落 る音 して
可う とも ゐ 曽こ くミ 於ち 於と
こうにいたりてともにいのそこにくみておちるおとして
(大意)
(代)官がこれをきき、円海を捕らえて詮議したところ
やはりうわさと違うところはなく土の松原というところへ引き出され
て死罪となり処刑された。するとその夜より円海の
霊が小僧とともに出るようになり、井戸端で一晩中争い、夜
更けにいたって共に井戸の底に組み合いながら落ちる音がして
(補足)
「代官」、「官」のくずし字は特徴的。
「聞」、「門」は「宀」のようになり、「耳」は「タ」や「ヌ」や「メ」のようなかたち。
「とらへ天」、ここの「と」はふつうの「と」とはかたちがややことなっています。
円海は死罪になり、霊になってもおのれが殺した小僧と争ってるとは・・・
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