P8前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
登至 天者やし始 も志ら須゛終 も志ら須゛せ以の高
い多つ 者じめ をハり 多可
といたってはやしはじめもしらず おわりもしらず せいのたか
さ六 尺 与りひくきハ奈し山 氣の化し天人 の形
ろくしやく さんき け ひと 可多ち
さろくしゃくよりひくきはなしさんきのけしてひとのかたち
登奈り多る奈りと云 説 有 昔 同 国 志らくら村 と
いふせつありむ可しどうこく むら
となりたるなりというせつありむかしどうこくしらくらむらと
いふ所 尓又 蔵 と云 毛のあり病 人 有 天医越
ところ ま多ざう いふ べ う尓んあり ゐ
いうところにまたぞうというものありびょうにんありていを
呼 尓行 と天谷 尓ふミ者づし天落 入 个る可゛樹の
よび ゆく 多尓 於ちいり き
よびにゆくとてたににふみはずしておちいりけるが きの
(大意)
極めてはやい。生まれや育ちは不明で死んだ姿を見たものもいない。背丈は
六尺より低いものはいない。山の気が変怪(へんげ)して人の形に
なったという説がある。昔、同じ国(遠州)の白倉村と
いうところに又蔵というものがいた。病人があり医者を
呼びにゆこうとして谷に足を踏み外して落ちてしまったが、樹の
(補足)
「者やし」、「や」が平べったい「ゆ」のようにみえます。「ゆ」は六行目中程「阿由む」にあり、変体仮名「由」(ゆ)。
「始も志ら須゛終も志ら須゛」、変体仮名「須」(す)の形を二つ目は変えています。
「志らくら村」、「ら」が「ろ」にもみえます。
「ふミ者づし天」、変体仮名「者」(は)がわかりずらい。
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