2022年2月18日金曜日

桃山人夜話巻五 その13

P8前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

登至  天者やし始  も志ら須゛終  も志ら須゛せ以の高

 い多つ    者じめ     をハり        多可

といたってはやしはじめもしらず おわりもしらず せいのたか


さ六 尺  与りひくきハ奈し山 氣の化し天人 の形

 ろくしやく        さんき け  ひと 可多ち

さろくしゃくよりひくきはなしさんきのけしてひとのかたち


登奈り多る奈りと云 説 有 昔  同 国 志らくら村 と

        いふせつありむ可しどうこく    むら

となりたるなりというせつありむかしどうこくしらくらむらと


いふ所  尓又 蔵 と云 毛のあり病  人 有 天医越

  ところ ま多ざう いふ    べ う尓んあり ゐ

いうところにまたぞうというものありびょうにんありていを


呼 尓行 と天谷 尓ふミ者づし天落 入 个る可゛樹の

よび ゆく  多尓       於ちいり    き

よびにゆくとてたににふみはずしておちいりけるが きの


(大意)

極めてはやい。生まれや育ちは不明で死んだ姿を見たものもいない。背丈は

六尺より低いものはいない。山の気が変怪(へんげ)して人の形に

なったという説がある。昔、同じ国(遠州)の白倉村と

いうところに又蔵というものがいた。病人があり医者を

呼びにゆこうとして谷に足を踏み外して落ちてしまったが、樹の


(補足)

「者やし」、「や」が平べったい「ゆ」のようにみえます。「ゆ」は六行目中程「阿由む」にあり、変体仮名「由」(ゆ)。

「始も志ら須゛終も志ら須゛」、変体仮名「須」(す)の形を二つ目は変えています。

「志らくら村」、「ら」が「ろ」にもみえます。

「ふミ者づし天」、変体仮名「者」(は)がわかりずらい。

 

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