2022年2月25日金曜日

桃山人夜話巻五 その20

P12 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

風 能神

可ぜ 可ミ

かぜのかみ


風 尓のりて所  〃  を阿りき

可ぜ    ところ\゛/

かぜにのりてところどころをありき


人 を見れ者゛口 より黄奈る

ひと     くち  き

ひとをみれば くちよりきなる


可ぜを吹 可くる其 可せ尓

   ふき   その

かぜをふきかくるそのかぜに


阿多れ者゛可奈ら須゛疫 傷

          ゑきしやう

あたれば かならず えいしょう


寒 を王づらふ事

可ん     こと

かんをわずらうこと


とぞ

とぞ


(大意)

風の神

風にのってさまざまな所を歩き

人を見かけると口から黄色い

風を吹きかける。その風に

あたると必ず、流行病や怪我をしたり

熱が出たりするという。


(補足)

 摺りと綴じの都合で「恙虫」と「風の神」の画が先になります。

変体仮名「能」(の)、はじめてだと読めませんが、二度目からは読める変体仮名です。

「其可せ尓」、変体仮名「尓」(に)としましたが「耳」かもしれません。

 別の本の色刷りの画では吹く風の色は薄桃色で悪さをする風には見えません。

 

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