P4前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
ハ止 多り依 天住 職 春る者 久 しく多え天寺 ハ
やミ よつ じ うしよく ものひさ てら
はやみたりよってじゅうしょくするものひさしくたえててらは
遂 尓元 禄 二年 尓焼 失 し天跡 奈しといへり是 則
つい 个゛んろく せ うしつ 阿と これ春奈ハち
ついにげ んろくにねんにしょうしつしてあとなしといえりこれすなわち
童 謡 尓いふ赤小豆洗 ひの小僧 奈り焼 亡 の後
どうやう あづき阿ら こ曽゛う せ うしつ のち
どうようにいうあずきあらいのこぞ うなりしょうしつののち
尓もさ満\゛/の怪異阿り个連バ土民 つとびて寺
けゐ どミん てら
にもさまざ まのけいありければどみんつどひててら
乃跡 尓卒都婆越多天死霊 越弔 ひ个る尓曽゛
阿と そとハ し里やう とむら
のあとにそとばをたてしりょうをとむらいけるにぞ
(大意)
(音がして)は止む(ということが続いた)。そのため住職をするものが久しく絶えて寺は
ついに元禄二年に焼失して跡形もなくなってしまったという。これがつまり
童謡にある「小豆洗いの小僧」である。焼失したあと
にも様々な怪異があったので、土地のものたちは寄り集まって寺
の跡に卒塔婆を建てて死霊を弔ったとのことである。
(補足)
「是則」、「春奈ハち」は「即」ではなく「則」のほう。
「怪異」、ここの「異」は異体字で「己」+「大」。古文書で「異国船」の「異」はほとんどがこれです。
「つとびて」、「゛」が「ひ」のほうについてしまいました。
童謡で「小豆洗いの小僧」があるかとネットで検索しましたがヒットしませんでした。どんな歌詞なのか興味のあるところです。
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