P10前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
男 ハ春こしハ学 才 も阿里天詩奈ど越も作
をとこ 可゛くさ以 し つく
おとこはすこしはが くさいもありてしなどをもつく
るとミえ多り秋 葉能奥 の山 男 ハ文 盲 尓
阿き者 をく や満をとこ もんもう
るとみえたりあきばのおくのやまおとこはもんもうに
し天只 酒 者゛可り呑 ゐる登志らる文 盲 尓
多ゞさけ のミ もんもう
してたださけば かりのみいるとしらるもんもうに
し天酒 者゛可里呑 ぶらつき天居ん与り者
さけ のミ ゐ
してさけば かりのみぶらつきていんよりは
本曽もと帝゛尓天も地ミち尓可せぎ多らん尓ハ
ぢ
ほそもとで にてもじみちにかせぎたらんには
(大意)
(山)男は少しは学才もあって詩なども作る
とみえる。(遠州)秋葉の山奥の山男は文盲で
ただ酒ばかり呑んでいると知られている。読み書き
ができず酒ばかり呑みブラブラしているよりは
元手が少なくとも地道に稼いでいれば
(補足)
「文盲尓し天只酒者゛可り呑」、「文盲尓し天酒者゛可里呑」、「只」が一字異なるだけで同じ文言を繰り返すのは珍しい。
「本曽もと帝゛」、そのまま辞書で調べたらありませんでした。何度か繰り返し読むと、細い元手なら文意が通じると理解。
山男(たち)に酒ばかり呑んでないで地道にやれよと説教をたれているのがちょっとおかしい。山男にそんなこと言ったって無理ってエもんだ、って読者がおもうなんて考えてなさそうです。
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