P25前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
こミ遂 尓ハ身の置 所 奈くし天穴 の口 へ出 るを鑓
つい ミ 於きどころ 阿奈 くち いづ やり
こみついにはみのおきどころなくしてあなのくちへいずるをやり
尓天つきて川本う尓天うちとる奈り其 力 の
曽のち可ら
にてつきてっぽうにてうちとるなりそのちからの
つよきこと何 人 力 といふこと越志ら須゛といへり王多り
奈ん尓んりき
つよきことなんにんりきということをしらず といへりわたり
六 七 尺 も阿らん可と思 ハるゝ本どの大 石 越山 中 ニ天
ろくしちしやく 於も 多以せき さんち う
ろくしちしゃくもあらんかとおもはるるほどのたいせきをさんちゅうにて
(大意)
(奥の方へ詰め)込み、ついには身の置きどころがなくなって穴の口から出てくるところを槍
でつき、鉄砲で撃ち取るのである。その力の
強いことは何人力ということでは言いあらせないほどであるという。端から端まで
六七尺もあろうかとおもわれるほどの大きな石を、山中で
(補足)
「鑓」(やり)、振り仮名がなければ読めません。振り仮名の「や」は「ゆ」とまぎらわしい。
「て川本う」、「川」はみため、とてもじゃないけど「つ」には見えません。変体仮名「川」(つ)。カタカナ「ツ」はたしかに三本の線があり「川」。
「つよきこと」、「こと」が「を」に見えてしまいますが合字の「こと」。次の「いふこと越」も同様。
「山中ニ天」、「ニ」がとても小さい。しかし助詞「ニ」はたいてい極小。
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