2022年2月10日木曜日

桃山人夜話巻五 その5

P3前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

連の頃 本ひ流   尓出 天赤小豆越洗 ひ数 越与む

  ころ  奈可゛れ いで あづき 阿ら 可づ

れのころおいなが れにいでてあずきをあらいかずをよむ


是 越見る人 きもをけし天此 寺 尓入 来る毛の稀 也

これ ミ ひと      このてら いりく   まれ

これをみるひときおをけしてこのてらにいりくるものまれなり


志可る尓小僧  越こ路せし者 ハ同 宿   の円 海 也

    こ曽゛う     もの どう志゛由く ゑん可い

しかるにこぞ うをころせしものはどうじ ゅくのえんかいなり


登村 中  の毛の多れと奈くいひふらし个れバ所  の代

 むらぢ う                ところ 多゛ひ

とむらじゅうのものたれとなくいいふらしければところのだ い


(大意)

(夕暮)れのころ、小川に出て小豆を洗いその数を数えたりする姿があった。

これを見た人は、肝をつぶしてこの寺にやってくる者はまれになってしまった。

そのようななか、「小僧を殺したのは同じ寺に住む円海である」

と村中のものがだれともなくいいふらしたため、在所の代(官)


(補足)

「きもをけし天」、肝をつぶして。「を」の上半分が大きくて「と」にもみえます。

「志可る尓」、「る」が消えてしまっているようです。

 

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