P3前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
連の頃 本ひ流 尓出 天赤小豆越洗 ひ数 越与む
ころ 奈可゛れ いで あづき 阿ら 可づ
れのころおいなが れにいでてあずきをあらいかずをよむ
是 越見る人 きもをけし天此 寺 尓入 来る毛の稀 也
これ ミ ひと このてら いりく まれ
これをみるひときおをけしてこのてらにいりくるものまれなり
志可る尓小僧 越こ路せし者 ハ同 宿 の円 海 也
こ曽゛う もの どう志゛由く ゑん可い
しかるにこぞ うをころせしものはどうじ ゅくのえんかいなり
登村 中 の毛の多れと奈くいひふらし个れバ所 の代
むらぢ う ところ 多゛ひ
とむらじゅうのものたれとなくいいふらしければところのだ い
(大意)
(夕暮)れのころ、小川に出て小豆を洗いその数を数えたりする姿があった。
これを見た人は、肝をつぶしてこの寺にやってくる者はまれになってしまった。
そのようななか、「小僧を殺したのは同じ寺に住む円海である」
と村中のものがだれともなくいいふらしたため、在所の代(官)
(補足)
「きもをけし天」、肝をつぶして。「を」の上半分が大きくて「と」にもみえます。
「志可る尓」、「る」が消えてしまっているようです。
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