P26前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
第 丗 五かミ奈里
多゛以さん志゛うご
だ いさんじゅうごかみなり
下 野 の国 筑 波 の辺 尓ハ雷 獣 と天山 尓春む个もの有
志もつけ く尓つく者゛ へん ら以ぢ う や満 あり
しもつけのくにつくば のへんにはらいじゅうとてやまにすむけものあり
夕 立 雲 の起 らんと春る時 勢 い猛 く奈り天空 中
ゆふ多゛ちぐも 於こ ときいき本 多け くうちう
ゆうだ ちぐものおこらんとするときいきおいたけくなりてくうちゅう
へ可ける尓其 いき本い當 るべ可ら須゛といへり常 尓ハやさし
曽の 阿多 つ年
へかけるにそのいきおいあたるべからず といえりつねにはやさし
(大意)
第三十五かみなり
下野の国、筑波のあたりには雷獣という山に住んでいる獣がいる。
夕立雲がわき起ころうとするとき、勢い猛々しくなって空中を
駆け回るのだが、その勢いは(速すぎて)当てることができないほどだという。普段はおだやかで
(補足)
第4巻最後の話になります。
「其いき本い當るべ可ら須゛といへり」、この部分の意味がいまひとつわかりません。
「常」のくずし字は特徴的。
下野の国は現在の栃木県で、筑波は茨城県。なので常陸の国の間違いでしょう。ですが雷が活躍する地域としては似たようなもの。
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