P2前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
里ま多壱 升 越者可里天数 越問ふ尓猶 其 数
いつせ う 可づ と 奈本曽の可づ
りまたいっしょうをはかりてかずをとうになおそのかず
を挙 多り員 へミる尓一粒 も違 ふこと奈し其 者つ
阿げ 可ぞ いち里 う 多可゛ 曽の
をあげたりかぞえみるにいちりゅうもたがふことなしそのはつ
明 奈る越賞 美し天ゆく\/ハ志゛う志よくをも是
め以 せう び これ
めいなるをしょうびしてゆくゆくはじゅうしょくをもこれ
尓譲 らんといつくしミ个る越同 宿 の僧 尓円 海
ゆづ とう志゛由く 曽う ゑん可以
にゆずらんといつくしみけるをどうじ ゅくのそうにえんかい
と天悪 僧 有 し可゛和尚 の小僧 越愛 春るを禰多
阿く曽うあり 於せ う こ曽゛う 阿以
とてあくそうありしが おしょうのこぞ うをあいするをねた
(大意)
(答えた。)また一升をはかって数を問うと、同じようにその数を
答えた。数えてみると一粒も間違うことはなかった。小僧の賢い
ことを褒め、ゆくゆくは住職を小僧
に譲ろうと大切に育てた。そのことを、同じ寺の僧である円海
という悪僧がいたのだが、和尚がこの小僧を愛するのをねたみ
(補足)
「挙」のくずしは振り仮名がなければ読めません。
「いつくしミ个る」、「しミ」がわかりにくですが、「いつく」までくるとそのあとは「しみ」と想像できます。
「円」の旧字は「圓」。「員」のくずし方が二行前の「員へミる尓」とおなじになってます。囗は両脇のふたつの点になってしまったようです。
職業とその人の性格や徳はなるほどとうなずくこともあれば、そうでないこともありそのほうがおおそうであります。さて悪僧円海その後はいかに。
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