2022年2月21日月曜日

桃山人夜話巻五 その16

P9後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

登阿るハ則   山 男  のこと奈り木 客 可゛詩尓酒

    春奈ハちや満をとこ     もく可く  し さけ

とあるはすなわちやまおとこのことなりぼっかくが しにさけ


尽 天君 沽ふこと莫 連壷  傾   天我 当 尓

つき きミ可   奈可 つ本゛可多むき 王れまさ

つきてきみかうことなかれつぼ かたむきてわれまさに


開 く遍゛し城  市囂 塵 多 し山 尓還  天

ひら    ぜう し个うぢん於本 や満 可へつ

ひらくべ しじょうしごうじんおおしやまにかえって


明 月  を弄    んと有 さ春れ者゛毛路こしの山

め以个゛つ も天阿曽バ              や満

めいげ つをもてあそばんとありさすれば もろこしのやま


(大意)

とあるのは、すなわち山男のことである。木客の詩に

「酒が尽きても、君、買うことなかれ。壺が空になったら、わたしはそのときに

かえるだろうよ。城下はごみごみして騒々しいことはなはだしい。山へ帰って

名月をめでよう」とある。なるほど唐土の山(男は)


(補足)

「尽天」、「尽」のくずし字も、すぐ左側にある「開」と同じように、中の部品「〃」や「开」が下部にきてます。

「囂」(ごう)、「口」4つに「頁」。辞書には「かまびすしい。さわがしい。「囂囂」「囂然」「喧囂(けんごう)」「喧喧(けんけん)囂囂」」とありました。

「明」、「有」、ともに「月」部分のくずし字は同じ形で頻繁に出てきます。「明月」の「月」のみではくずさずにほぼそのまま。

「毛路こし」、「路」の「各」のくずし字が「木客」の「客」の部品のくずし字とにています。

 

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