P.6
P.6 上段
(読み)
奈りいち
なりいち
尓ち尓
にちに
ひとりで
ひとりで
何 万 まいと
なんまんまいと
いふ可ずを
いうかずを
春り个る
すりける
ひとへ尓あさ
ひとえにあさ
ひ奈可゛くさ
ひなが くさ
春゛りを
ず りを
ひ起きりし
ひききりし
うでのち
うでのち
可らと可げ
からとかげ
きよ可゛し
きよが し
ころを引
ころをひき
きりし
きりし
ち可ら尓
ちからに
あヤ可りし
あやかりし
と見へ
とみえ
多り
たり
个る
ける
(大意)
(達者に)なり、1日にひとりで何万枚という
数を摺った。
ひとえに、朝比奈が草摺を引ききった腕の力と
景清が錣(しころ)を引ききった力にあやかった
ように見えた。
(補足)
(その15)P5からの続きです。
裏写りがあって読みづらい箇所もあります。
「何万」、「何」がわかりにくですが、確かに「亻」+「可」と読めます。
「しころ」、「こ」と「ろ」の区切りがわかっていしまえば問題なしなのですが、「しころ」という単語がわからなければ悩むところ。
「草摺」、鎧の腰部分を覆うヒラヒラ部分。鎌倉時代、曽我五郎と取っ組み合い、相手の草摺を引き違った故事による。
「錣」、兜の首の後ろ部分を覆う箇所。平安時代末期源平の合戦では那須与一の故事が有名。そのときに屋島の合戦で景清が三保谷国俊と争い、その錣を引き違ったという故事による。