P.20 4行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」
(読み)
桴 組 下 相 成 可多く出 水 相 待 当 六 月 中 旬 より
いかだくみさげあいなりがたくしゅっすいあいまちとうろくがつちゅうじゅんより
追々 水 増 候 二付 桴 組 立 先 月 十 三 日 先 出 之桴
おいおいみずましそうろうにつきいかだくみたてせんげつじゅうさんにちさきだしのいかだ
十 三 艘 戸口 村 地先 迄 乗 下ケ候 所 及日暮二 候 二付
じゅうさんそうとぐちむらちさきまでのりさげそうろうところひぐれにおよびそうろうにつき
(大意)
筏の組み下げができませんでしたので出水を待ちました。この6月中旬より
少しずつ水量が増してきましたので、筏を組み先月13日に先出しの筏
13艘を戸口村の近いところまで乗り下げましたが、もう日暮れになってましたので
(補足)
「相成可多く」、文章のリズムなのかもしれませんが、どのような具合で変体仮名「可多く」が使われるか興味があります。
「待」、「彳」に限らず、偏が読みに直結しないためか見極めは難しい。「寺」や「寸」を含むくずし字は「ち」のような「る」のような感じ。
「より」、殆どの場合、合字「ゟ」が使われるのに、ここではそのままです。
「乗」、くずし字は2文字のようになります。下部は「ふ」のよう。
「暮」は2文字に見えることが多いのですが、ここでは1文字。
1頁6行で粒の揃った丁寧な手跡が続きます。
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