P.11 4行目〜最後。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」
(読み)
不申 前 書 奉申上 候 通 り追々 出精 伐出 候 諸材木
もうさずぜんしょもうしあげたてまつりそうろうとおりおいおいせいだしかりだしそうろうしょざいもく
板 貫 類 当 時川 筋 へ差 出 候 分 凡 百 弐拾 艘 余
いたぬきるいとうじかわすじへさしだしそうろうぶんおよそひゃくにじゅっそうあまり
川 下ケニ礑 与差 支 日々人 足 之費夥 敷 殊 二此 上
かわさげにはたとさしつかえひびにんそくのひおびただしくことにこのうえ
(大意)
さしあたって、申し述べてきたように、引き続き日々材木伐りだしに励み諸材木
貫板など、現在川筋へ搬出していた分およそ120艘余りが
川下げにまったく滞ってしまっています。毎日の人足の費用もおびただしく、この上
(補足)
戸口村の乱暴者共にされ放題で河原に散乱されたままになっている筏、諸材木はそのままです。
大水でも出たら、すべて流され被害甚大になります。筏仲間にも督促されたのでしょう。訴訟をお願いしお白州で戸口村の者共と対決します。
その11で「十三艘相手村方地先迄乗下ケ候」とありましたが、ここでは120艘とあります。
戸口村のところで通せんぼになっているため、このあと予定していた筏川下げの分が120艘ということなのでしょうか。
訴訟をお願いしている割には、文面がどこか混乱して正確ではないようです。
わたしの頭の方かもしれませんが。
「出精」、せいをだす、しゅっしょう。頑張って、ということでしょう。
「板貫類」、「類」一文字なら読めませんが、「諸材木板貫」ときているので(るい)とわかります。
「礑与」(はたと)、こんな漢字を当てるのですね。見たこともない漢字です。
「夥敷」、〜敷の表現はたくさんあります。怪敷(あやしく)、間敷(まじく)、六ケ敷(むずかしく)、委敷(くわしく)、嘆敷(なげかわしく)など。
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