2019年10月17日木曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その18




 P.12 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
出  水 有之  候ハ者  悉   く流  失 可仕     義眼 前 二而左候得者
しゅっすいこれありそうらわばことごとくりゅうしつつかまつるべきぎがんぜんにてさそうらえば

荷主 共 一 同 可及退轉     次第 二而当 惑 難 渋  仕    候   間
にぬしどもいちどうたいてんおよぶべきしだいにてとうわくなんじゅうつかまつりそうろうあいだ

無是非 御訴訟  奉申上       候   何卒以
ぜひなくごそしょうもうしあげたてまつりそうろうなにとぞ



(大意)
大水でも出ようものならば、ことごとく流されてしまうことは明らかなことであります。そのようなことになってしまったならば、荷主たち一同、職を失い途方に暮れ困り果ててしまうので
仕方なく訴訟申し上げました。なにとぞ


(補足)
「有之」、この書き手の「有」のくずし字がどうも苦手です。くずし字辞典にものってます。
「す」or「む」を途中まで書いて、最後に「一」なのですが、最後の「一」が大きくて惑わされます。
「候ハ者」、頻出ですが、ここのは読みづらい。
「悉」、「ノ」はなくなって、「米」+「心」。
「転」、旧字の「轉」のくずし字。

 記述内容の差し迫った心情とは裏腹に、手跡は粒ぞろいで整い乱れもありません。


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