P.9 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」
(読み)
可打毀 旨 申 訇 り鳶 口 を以 番 人 を打 椰 二およひ
うちこわすべくむねもうしののしりとびぐちをもってばんにんをちょうちゃくにおよび
大 勢 之儀ニ付 難叶 一 同 逃 去 追 々 村 方 へ立 帰 り
おおぜいのぎにつきなんじゅういちどうにげさりおいおいむらかたへたちかえり
右 始末 申 聞 候 間 早 速 荷主 共 駈 付 見届 ケ候 處
みぎしまつもうしききそうろうあいださっそくにぬしどもかけつけみとどけそうろうところ
(大意)
打ち壊すと大声でののしり鳶口で番人を殴りつけるに及び
相手は大勢であったためかなわず、皆逃げ去りそのまま村へ帰りました。
このような事の次第を申し聞きましたので、すぐに荷主たちは現地に駆けつけ見て確かめたところ
(補足)
「訇り」、この漢字は初めてお目にかかりました。漢字は知らないもののほうが圧倒的に多いことは承知していますが、こんな漢字もあるのですね。
いろいろ調べました。どうやら(ののしり)と読むようです。現在では「罵り」でしょう。
「鳶口を以番人を」、「ヲ」ではなく平仮名の「を」が続きます。
「打擲」(ちょうちゃく)、当時は普通に使われていたようです。なぐりうちすえること。
「早速(さっそく)」ですが、初心者でそそっかしいわたしは「相迷い」に見えてしまいました。
「駆」の「区」のくずし字の部分は「近」のようなかたちです。読めませんでした。
「見」、いつものと形が異なるくずし字ですが、辞書にはこの形もありました。
夜11時頃の事件ですから、夜を徹して村まで急ぎ足で戻ったことになります。それにしても十数キロはあるはずの真っ暗な夜道です。戻った船頭たちから顛末を聞いた荷主たちもすわ一大事と同じ道を急ぎ引き返しました。大きな騒動であることが伝わります。
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