P.150 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
程 志らださぬと度々 申 し私 し
ほどしらださぬとたびたびもうしわたくし
仲 間二相 成候ハヽ 人氣 ヲ背 事 ゆへに
なかまにあいなりそうらわばにんきをそむくことゆへに
壱 人二而施 しい多し申 候 代 八 殿 申 様
ひとりにてほどこしいたしもうしそうろうだいはちどのもうすさま
それハ小殿 斗 り無之 候 最早 金
それはこどのばかりこれなくそうろうもはやきん
千 両 と御取 締 江書 出し御取 締
せんりょうとおとりしまりへかきだしおとりしまり
江書 出せハ御支配 江あ可゛るから
へかきだせばごしはいへあが るから
不足 二而ハ相 成 間敷 と申 候 間 それハ
ふそくにてはあいなりまじくともうしそうろうあいだそれは
多連が書 出し満したと申 し候ハヽ、
だれがかきだしましたともうしそうらわば
槙 ノ下 我 野寄 場江持参 致 し趣 ヲ
まきのしたあがのよせばへじさんいたしおもむきを
申 候 又 寅 次郎 殿 も千 両 之書出 シ
もうしそうろうまたとらじろうどのもせんりょうのかきだし
ヲい多し候 二者数 なら春゛とも
をいたしそろうにはかずならず とも
(大意)
しか出さぬ」とたびたび言い「わたしは(鳥居と)
仲間であるから評判を落とさぬため
ひとりで施しを行う」と述べました。代八殿は
「それは小殿だけのことではありません。もはや
金千両とお取締へ伝え、お取締へ
書付を提出すれば、そのままお支配へ上申されるので
不足するようなことがあってはただでは済まない」と言うので、「それは
誰が提出したか」と言へば
「槙ノ下我野寄場へ持っていったようである」と
述べました。また寅次郎も千両の施し金の提出
をすることには、数に入ることの程ではありませんが
(補足)
2頁前にも「六七軒余志ら」と同じふうにあり、やはり(しか)が前後の流れからあてはまりそうです。
「それハ」が2箇所の出てきます。いままでしたら「夫ハ」でした。
「書出す」が4箇所あります。内容を書付に記した、その書付を提出した、のように「書出す」意味が異なっている感じです。
3行目「代八殿申様」以降、誰と誰の会話なのかが、申候間、申し候ハヽ、申候、とつづき、あやふやで、うまく読み取ることができません。
「槙ノ下我野」、久しぶりに出てきました。地名。
この頁はすべて既出の文字、くずし字です。
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