P.144 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
然 ル所 今 般 甲 州 道 中 府中
しかるところこんぱんこうしゅうどうちゅうふちゅう
宿 江御引 立 二罷 成 候 趣 承 驚 入
しゅくへおひきたてにまかりなりそうろうおもむきうけたまわりおどろきいり
候 何 卒 御下ケ相 成 候 様 御歎 願
そうろうなにとぞおさげあいなりそうろうようごたんがん
被成下度 御願 申 上 度 如斯 二
なしくだされたくおねがいもうしあげたくかくのごとくに
御座候 以上
ござそうろういじょう
下鹿山村
しもかやまむら
名主
なぬし
七月廿九日 英輔
しちがつにじゅうくにち えいすけ
実印
じついん
上名栗村
かみなぐりむら
名主
なぬし
多次郎様
たじろうさま
(大意)
然しながらこの度甲州道の府中
宿へ引き立てられてしまったということを承り驚いて
しまいました。なにとぞ釈放されるようご嘆願
なし下されたくお願い申し上げたくこのような
次第でございます。
下鹿山村
名主
七月廿九日 英輔
実印
上名栗村
名主
多次郎様
(補足)
留吉の実家のある下鹿山村の名主栄輔から上名栗村名主太次郎への7月29日付けの歎願書です。
栄輔は山村の名主太次郎と、書付の最初「以手紙得貴意候」とあり面識はなさそうですから、名前の字を間違えてしまってます。
「被成下度」、「被」のくずし字は記号のようにみえます。
「如斯」、二文字セットで覚えます。
「実印」、「印」のくずし字は、左右にある偏と旁が上下になってます。「迎」も同じような感じ。
本当の書状にはここに実印があることになります。
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