P.126 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
仰付候 間 、不取敢 罷 出再 御歎
おおせつけられそうろうあいだ、とりあえずまかりでふたたびごたん
願 奉申上候 、何卒以
がんもうしあげたてまつりそうろう、なにとぞ
御慈非畄 吉 身分 之義幾 重
ごじひとめきちみぶんのぎいくえ
二も御憐 愍 御宥 免 の御沙
にもごれんびんごゆうめんのおさ
汰被成下 置度 奉願上候 、以上
たなしくだされおきたくねがいあげたてまつりそうろう、いじょう
関東御郡代岩鼻附御料所
かんとうごぐんだいいわはなつきごりょうしょ
武州秩父郡上名栗村
ぶしゅうちちぶぐんかみなぐりむら
役人惣代
やくにんそうだい
岩 鼻 ヲ晦日 八ツ立 二而鬼 石 泊 り八 月
いわはなをみそかやつだちにておにいしとまりはちがつ
(大意)
ご指示がありましたので、とりあえず出かけ再びご嘆願
申し上げます。なにとぞ
お慈悲をもって留吉の罪状についてかさねがさね
情けをおかけいただき許して下さるよう裁定
がなされることをお願い申し上げます。以上。
関東御郡代岩鼻附御料所
武州秩父郡上名栗村
役人惣代
岩鼻を30日2時に出発し鬼石に泊り、8月
(補足)
「不取敢」、わたしの大正3年生まれの父が手紙でこんなふうに書いていました。
「再」、なかなか難しい。筆の運びは、「一」のあと、二画目で左下までいって「冂」、右下で中ごろから「二」をつなげるようにしておしまい。
「何卒以」、P.121でも出てきました。平出。
「御慈非」、現在は御慈悲です。
「幾重」「憐愍」、とてもわかりやすくてきれい。
「成」のくずし字は辞書には二通りあるようです。一つは原型をとどめるもの。もう一つがこちらのもの。
御慈悲、幾重にも御憐愍、御宥免とあらん限りの御嘆願です。
鬼石は藤岡市と皆野の中間あたりの街。
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