2019年6月22日土曜日

変事出来二付心得覚記 その219




 P.121 6行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
何卒以
なにとぞ

御慈悲    、此 上 畄 吉 身分 之義右
ごじひをもって、このうえとめきちみぶんのぎみぎ

御取 締  様 御廻 村 先 江被 仰越、
おとりしまりさまごかいそんさきへおおせこされ

御憐 愍 之御沙汰被成下度
ごれんびんのおさたなしくだされたく

奉願上       候   以上
ねがいあげたてまつりそうろういじょう

        武州  秩 父郡 上 名栗 村
        ぶしゅうちちぶぐんかみなぐりむら


(大意)
なにとぞ御慈悲をもって留吉のお取り計らいについて
御取締様御廻村先へお越し下さり
おなさけのある裁定をしていただけますように
お願い申し上げます。以上。

武州秩父郡上名栗村


(補足)
「何卒以」のあと行替えして「御慈悲」に続く文章を行頭にもってきています。平出、平頭、擡頭などと呼ばれる作法でしょうか。
「被 仰越」、一文字分空白があります。これは闕字(けつじ)で敬意の表現です。「越」の「走」の最後の画の部分をもっと伸ばしてほしいところです。
「被成下度」、「成」の筆の運びがわかるようでいまひとつ?


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