2019年6月7日金曜日

変事出来二付心得覚記 その204




 P.109 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
岩 鼻 附 畄 役 吉 岡 静 助 殿 ゟ
いわはなつきとめやくよしおかせいすけどのより

先 般 腰 縄 附 村 預 ケ申  付 置 候、
せんぱんこしなわつきむらあずけもうしつけおきそうろう

其 村 方 百  姓  紋 二郎 外 弐人 共 此 度
そのむらかたひゃくしょうもんじろうほかににんどもこのたび

当 方 江引 渡  相 成 右 岩 鼻 御
とうかたへひきわたしあいなりみぎいわはなお

役 所 ゟ 之達 書 為持 、道 案 内
やくしょよりのたっしょもたせ、みちあんない

之者 差 遣   、腰 縄 附 之儘 飯 能
のものさしつかわし、こしなわつきのままはんのう

村 江引 立 候   条  、諸 事無差支
むらへひきたてそうろうじょう、しょじさしつかえなく


(大意)
岩鼻お役所の留役吉岡静助殿より(のお達し)。
先日腰縄付き村預けと申しおいておいた
その村の百姓紋二郎ほか2人を、このたび
こちらへ引き渡しすることとなった。先の岩鼻お役所
よりのお達し書きを持たせ、道案内
の者をつけ、腰縄付きのまま飯能
村へ引き立ててくること、諸事差し支えなく


(補足)
 村預けとなっていた3人を飯能まで護送してこいとのお達しです。

ここの「留」は「畄」。前に出てきた「田」の中がクルクルっとしたくずし字ではありません。
「同道」のかたちでは頻出ですが、「道案内」ははじめてです。
「儘」、はっきりとした「亻」はめずらしい。旁のほうは難しい。
「飯能」、「能」がどうしても「触」に見えてしまいます。
「差遣」「差支」、「差」が同じくずし字です。


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