2019年6月25日火曜日

変事出来二付心得覚記 その222




 P.124 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
之生質 二有之  、聊   乱 暴 等 可差働
のきしつにこれあり、いささからんぼうとうさしはたらくべき

毛の二無御座 二付 、当 七 月 朔日  、岩 鼻
ものにござなくにつき、とうしちがつついたち、いわはな

御出  役 様 御廻  村 之節 村 役 人 共 ゟ
ごしゅつやくさまおまわりむらのせつむらやくにんどもより

事実 等 と承    糺  候   上 、御歎 願 申  上
じじつとうとけたまわりただしそうろううえ、ごたんがんもうしあげ

御聞 済 相 成 候   儀と存  罷  在 候   處、
おききすみあいなりそうろうぎとぞんじまかりありそうろうところ

今 般 御当 方 様 江御引 渡  相 成
こんぱんごとうかたさまへおひきわたしあいなり

候   二付 驚   入 去ル廿   九日 名主 太次郎
そうろうにつきおどろきいりさるにじゅうくにちなぬしたじろう

組 頭  平 沼 源 左衛門 両  人 岩 鼻 御役
くみがしらひらぬまげんざえもんりょうにんいわはなおやく

所 江罷  出、畄 吉 身分 御宥 免 之義
しょへまかりで、とめきちみぶんごゆうめんのぎ

御伺   達  申  上 候   處  同 人 義其 砌
おうかがいたっしもうしあげそうろうところどうにんぎそのみぎり


(大意)
性格の持ち主です。いささかも乱暴を働くような
者では御座いません。この7月1日、岩鼻
御出役様御廻村のときに、村役人より
事実であることをお聞き下さりお確かめ下さいました。(そのとき)御歎願申し上げ
すでにお聞きになられたことと存じ上げておりましたので
今回、御当方様へお引渡しになることに
なり驚き入りまして、去る(7月)29日名主太次郎
組頭平沼源左衛門の両人で岩鼻御役所
へ出かけました。留吉の罪を大目に見て許していただきたく
お伺いし申し上げました。本人はそのとき


(補足)
「生質」(きしつ)と読みましたが?。「生」のくずし字を調べると似てはいますがちょっとちがうような気も。かといって助詞の(は)とすると意味が通じません。覚記で「生」を全文検索するとこのくずし字を使っているのはこの箇所だけでした。また(きしつ)ならば「氣質」です。

「聊」=「耳」+「卵の点なし」。ふたつの部品はそのようなくずし字になってます。
「毛の」、「者」の意味のときにこの「毛」をいつも使ってます。
「朔日」ちょっとわかりにくいですが(ついたち)。
「節」、久しぶりに目にしたような気がします。よく「筋」と間違えそうになります。
「ゟ」と助詞「と」のくずし字が似ています。
「承糺候」、乍恐〜の口上の書付で頻出です。「糺」は「糾」でもよいので、(しょうきゅう)と音読みはしないとおもいますが?です。
「済」、このくずし字を辞書で調べると全く同じ字がのってました。こんなふうに書くんですね。
「驚」がいままでのくずし字よりわかりにくいです。
「宥免」、「宥」=「宀」+「有」。「有」のくずし字がそのままの形です。
「處」が2箇所でてきてますが、「処」の字ではありません。

 この頁もしっかりと迷いなく記されています。


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