奥付 国立国会図書館蔵
(読み)
明治十五年七月十一日御届
東京日本橋区馬喰町二丁目一番地
編輯兼出版人 木村文三郎
(大意)
略
(補足)
奥付はこの銅版画シリーズ共通のもののようです。詳しくはこの版と浄瑠璃本の宣伝のもののふたつあります。他の豆本のほうがずっと鮮明です。豆本がこの色になったのはどうしてなのかとても気になります。どなたか教えて下さい。
奥付 国立国会図書館蔵
(読み)
明治十五年七月十一日御届
東京日本橋区馬喰町二丁目一番地
編輯兼出版人 木村文三郎
(大意)
略
(補足)
奥付はこの銅版画シリーズ共通のもののようです。詳しくはこの版と浄瑠璃本の宣伝のもののふたつあります。他の豆本のほうがずっと鮮明です。豆本がこの色になったのはどうしてなのかとても気になります。どなたか教えて下さい。
P12 国立国会図書館蔵
P12拡大
(読み)
ぢいさん尓志可\゛/
じいさんにしかじ か
奈りともの可゛多
なりとものが た
連バ
れば
よろ
よろ
こび
こび
うさ起゛を
うさぎ を
やうしと奈し
ようしとなし
てめで多起
てめでたき
者るをむ可へ
はるをむかえ
个りめで
けりめで
多し\/\/\/\/
たしめでたしめでたしめでたしめでたし
定 價三 銭
ていかさんせん
(大意)
じいさんにことのあらましを
物語ると喜び、
うさぎを養子にし、
めでたい春を迎えたのでした。
めでたしめでたし・・・
(補足)
この絵師のかく人物の表情はやはり独特で、ほかにこのようにかく絵師はしりません。誰だか知りたい。火鉢は欅か何かの大木をくり抜いた上等そうなものでうさぎの意匠が彫り込んであります。
うさぎが持っているのは打ち出の小槌でしょうけど、カチカチ山との関わりはなんでしょう?
「志可\゛/奈り」、初見のときには読めませんでしたが、読めてしまうとなんでこんなのがわからなかったのかとめいります。
P10後半 国立国会図書館蔵
P10拡大
P11
(読み)
きおもひ志連とさん\/尓う
きおもいしれとさんざんにう
ち个連バふ年ハくづ連多ぬ起も
ちければふねはくずれたぬきも
とも尓うミへしづミて志ゝ多り
ともにうみへしずみてししたり
うさ起゛ハし由びよくあ多゛をうち
うさぎ はしゅびよくあだ をうち
(大意)
(悪)事、婆さんを殺したかたき
おもいしれ」と、散々に打ちたたくと
船は崩れ、たぬきは船と共に海へ沈んで死にました。
うさぎは首尾よく仇(あだ)を討ち
(補足)
一行目行末「うさぎ」、文末の行「うさ起゛」、平仮名と変体仮名の使い分けは前後の文の流れや使われる文字の組み合わせなどがありますが、どうやら気分次第が適当なようです。
うさぎの戦う姿、このようなものを描かせるとうまいですねぇ。沖に出るには腰蓑は必需品。うさぎの右側の海の描き方は前頁と同じです。前頁で小さかった沖の帆掛け船は今度はやや大きめに描かれています。
P11ではうさぎの櫂攻撃で手も脚も出ぬたぬき。よく見るとたぬきも腰蓑をつけていました。たぬきのひっくり返った姿より、手前の海の荒れる様子のほうが見応えがあります。沖には沈みゆく夕日なのか、はたまた良き日をめでる朝日なのか。
P10前半 国立国会図書館蔵
P10拡大
(読み)
□多゛ん\/くづ連可ゝるをうさ
だ んだんくずれかかるをうさ
ぎハ見多りと可ひおつとり多
ぎはみたりとかいおっとりた
ぬき尓む可ひとしごろのあく
ぬきにむかいとしごろのあく
じ者゛アさんをころし多る可多
じば あさんをころしたるかた
(大意)
どんどんくずれてゆくのをうさぎは
みてとり、櫂(かい)を勢いよくつかみ取り
たぬきに向かって「この数年の(悪)事
(補足)
うまく読めず、実は正しく読んでいたのですが意味が通じず二日間悩みました。
「可ひおつとり多ぬき尓む可ひ」、「おつとり」がわからなかった。辞書を調べると
これかなというのが見つかりました。
『おっと・る 【押っ取る】
(動ラ四)〔「おしとる」の転〕
① 勢いよくつかみ取る。「童にもたせたる太刀―・り,するりと抜きて」〈曽我物語1〉』
ぴったりそうなので、これを採用です。
それに続く「としごろのあくじ」も悩んだ。「としごろ」の意味がわからず、辞書をたよると
『④ 2幾年かの間。ここ数年の間。副詞的にも用いる。「―丹精して」〈当世書生気質•逍遥〉』
がありました。こんなふうにつかうなんて・・・。
ふぅ〜、これで意味がすべて通じました。
P9後半 国立国会図書館蔵
P9拡大
(読み)
でんと多ぬ起尓すゝめある
でんとたぬきにすすめある
ひうミへのり多゛しあちらこ
ひうみへのりだ しあちらこ
ちらとこぎまハ春うち多
ちらとこぎまはすうちた
ぬきのふ年ハつち奈れバ□
ぬきのふねはつちなれば
(大意)
(漁に)出ようとたぬきにもちかけある
日、海へ乗り出し、あちら
こちらと漕ぎ回すうち、
たぬきの船は土船なので
(補足)
「多ぬ起尓すゝめ」、「すゝ」が平仮名「す」と「ゝ」がくっついているのでなやみました。その2行左側に変体仮名「春」があります。
「こぎ」はジッとみつめるとちゃんと「こ」と「ぎ」になってました。
浜に打ち寄せる波が小山のようにえます。沖の左方向へ目をやると帆掛け船が一艘うかんでいます。
P9中半 国立国会図書館蔵
P9拡大
(読み)
つけ連バミそととう可゛らし可゛
つければみそととうが らしが
しミて多つてのくるしミを奈し
しみてたってのくるしみをなし
多りまたうさ起゛ハ多ぬき尓
たりまたうさぎ はたにきに
つちぶ年をこしらへさせじぶん
つちぶねをこしらえさせじぶん
きぶ年をこしらへ連 う尓い
きぶねをこしらえりょうにい
(大意)
(ぬり)つけると味噌と唐辛子が
しみて、大変な苦しみとなりました。
またうさぎはたぬきに
土船をこしらえさせ、自分は
木舟をこしらえて、漁に(出ようと)
(補足)
「つちぶ年をこしらへ」と「きぶ年をこしらへ」がそっくりに並んでいるのも珍しい。ここの「ら」がその右の行の「うさ起゛」の「う」にそっくりです。
「連う尓」、?でしたが読みすすめると「漁」でした。わからないところはいったん保留していおいて読みすすめるのがコツです。
たぬきは土船をこしらえているので、右手に左官鏝(こて)、左手に鏝板(こていた)といっぱしの職人風。
P9前半 国立国会図書館蔵
P9拡大
(読み)
うさ起゛ハきのふのミまひ尓ゆ起
うさご はきのうのみまいにゆき
やけど尓ハとう可゛らしミそ可゛めう
やけどにはとうが らしみそが みょう
やく奈りこしらへつけてやらんとて
やくなりこしらへつけてやらんとて
とう可゛らしを多くさんい連こしらへ
とうが らしをたくさんいれこしらえ
て多ぬ起のせ奈可へべつ多りぬり
てたぬきのせなかへべったりぬり
(大意)
うさぎは昨日の見舞いにゆき
やけどには唐辛子味噌がよく効く
からつくってつけてやろうと、
唐辛子をたくさん入れてこしらえて
たぬきの背中にべったりぬり(つけると)
(補足)
「めうやく奈りと」の次がわかりません。いろいろ候補はうかぶのですが、う〜ん・・・
悩んだ末、「こしらへ」としました。次の行に「こしらへ」があります、「らへ」が同じかたちで「し」が大きい。よくわからないほうは、「し」が小さいかたちだろうとしました。
読みにくいところも何箇所かありますが、繰り返し繰り返し読み、同じようなかたちのところがないかを見つけてゆく作業しかなさそうです。